英語を勉強する中で、苦手意識を持っている人が多い分野がリスニングではないでしょうか。普段耳にする機会も少なく、どのように勉強すればいいのかわからないという人も少なくありません。
大学入試が大幅に変更されたことで、中学生・高校生の英語学習や求められる英語力も以前とは違うものになりました。グローバル人材には必須の英会話の際にも求められる能力であり、今後さらに需要は高まっていくでしょう。
本記事では、英語のリスニングの勉強法でおすすめの方法とそうでない方法を解説します。英語のリスニング能力を鍛えるため、自分に適した勉強法を見つけてください。
目次(クリックで開閉)
・英語のリスニングが苦手な人が多い理由┗英単語や英文法を理解しきっていない
┗発音のルールがわかっていない
┗リスニングのスピードについていけない
・英語のリスニングを強化する勉強法6つ
┗①基礎的な英文法・英単語をやり直す
┗②英文を音読する
┗③ディクテーションを行う
┗④オーバーラッピング、シャドーイングをする
┗⑤リピーティングをする
┗⑥日常生活でリスニング習慣を取り入れる
・リスニング力を鍛える効果が薄い勉強法4つ
┗①聞き流しだけの勉強法
┗②日本語訳を見ながらの勉強法
┗③イラストやグラフなどの視覚的な情報がある教材を使った勉強法
┗④目標やゴールのない勉強法
・英語のリスニング力を鍛える具体的な勉強法3つ
┗①学校の教科書や問題集を使う
┗②視覚情報が少ない教材を使う
┗③塾・予備校に通う
英語のリスニングが苦手な人が多い理由
代表的なものは次の3つと言われています。詳しく見ていきましょう。
- 単語や文法を理解しきっていない
- 発音のルールがわかっていない
- スピードについていけない
英単語や英文法を理解しきっていない
リスニングに限らず、聞いたり読んだりして英文を理解するためには、英単語や英文法を知っておかなければなりません。全ての英単語を覚えるのは大変ですが、最低限の英単語や英文法、構文を理解していないと出題された英文の意味や表現が分からず、解答できないでしょう。語彙力がないと、日本語でも文章を読むのが難しく感じるのと同じです。
尚、ここでいう最低限とは中学校レベルの英単語と英文法を指しています。現在中学生であれば今まで習った英単語や英文法が基本になるため、リスニングが苦手という人はこれらを解消すれば苦手意識を取り除ける可能性があります。
発音のルールがわかっていない
英語には、日本語にはない発音方法があります。例えばアクセントやイントネーションなどがそれです。これらを意識して英語を聞いたり口に出して発音したりしないと、リスニングで英語を聞いても、何を言っているのかが分からなくなってしまいます。
また、英語にはリエゾンと呼ばれる音声変化があります。これは特定の条件を満たした場合、音が連結したり、脱落したりするルールです。このルールは学校では習わないケースが殆どであるため、リスニングの練習を通じて身に着ける必要があるでしょう。
因みに、問題集によってはカタカナで発音が書いてあるものもあります。一見すると英語の発音を簡単に理解できるように見えますが、カタカナでは表せないわずかな違いがあります。カタカナにばかり頼ったことが原因で、試験などで聞いた英文を理解できなくなる可能性もあります。カタカナは大まかな発音を把握するために使用するにとどめ、しっかりとネイティブの発音を学ぶことが重要です。
リスニングのスピードについていけない
ある一定以上のスピードになると、リスニングで何を言っているのか聞き取れないケースもあります。先に紹介したリエゾンが関係している側面もありますが、英語を聞いて日本語に変換しようとしていると、英文がどんどん進んでしまって理解しきれなくなるのです。
原因は、学校の英語で習う訳し方が、英文の後ろから翻訳する手法を採用しているためとも言われています。リーディングであれば問題なく解ける問題も、リスニングになったとたん解けなくなってしまう場合も少なくありません。集中して英語を英語のまま聞き取り、内容を理解する訓練が必要です。
英語のリスニングを強化する勉強法6つ
リスニング力を強化しようと思うと、問題集などのCDに収録されている英文を聞いて慣れる練習しか思い浮かばない人もいます。しかし、それ以外にも英語のリスニング力をレベルアップさせて得点につなげるための勉強法があります。いくつか詳しく見てみましょう。
①基礎的な英文法・英単語をやり直す
先述しましたが、リスニングが苦手と感じる原因のひとつに英単語や英文法の知識が不十分という理由があります。このパターンの人はリスニングだけではなく、英語全体に苦手意識を持っているでしょう。
このような場合は、基礎的な英単語・英文法を復習するのがおすすめです。高校生であれば中学校で学習した英単語や英文法を総復習しましょう。特に発音は、日本人の多くが一回で覚えられない場合も珍しくありません。何度も読み返したり聞き返したりして、単語の発音を完璧にするよう心掛けることが重要です。
②英文を音読する
リーディングの問題を解く時にもできる勉強法が、英文を音読する方法です。人は自分が発音できる音しか聞き取ることができないと言われています。普段から黙読ばかりしていると音を耳にする機会がないため、どうしても音を覚えることができません。正確な発音ができることが条件ですが、音読しながら英文を読むと、耳が英語に触れる機会を増やすことができるのです。
もしリスニング用のCDや音源と一緒に英文が手元にあるのであれば、その発音を聞きながら自分自身でも声に出してみましょう。耳だけではなく口を刺激することで、より効率的に発音を覚えられます。
③ディクテーションを行う
ディクテーションとは、流れてきた英文を聞き取って、その英文を一言一句書きとる勉強法です。聞いた英文をそのまま書き出すため、聞き取れなかった場所が簡単に発見できます。
この勉強法の目的は、リエゾンやイントネーションが理解できているかどうかを判断するためです。単純に英単語の理解度を探ることもできますが、英語特有の発音ルールなどを理解していないと、聞き取れない箇所が出てくるはずです。その場所がどこなのかを理解するためには、ディクテーションは非常に有効な勉強法です。
実際に書き出した後は、スクリプトを見て確認するようにしてください。地道な積み重ねですが、ディクテーションを続けることで英語特有のルールに耳が慣れていくでしょう。
④オーバーラッピング、シャドーイングをする
オーバーラッピングやシャドーイングは、どちらも同じような勉強法です。特に単語や発音ルールを身に着けるのに非常に有効な勉強法と言えるでしょう。リスニング用のCDや音源などがあれば簡単にできるため、家でも実践できます。
但し、洋楽などはメロディーラインで発音などが変わってしまっている場合があるためオーバーラッピングやシャドーイングには適していません。もし行うのであれば、リスニング用の音声を利用すると良いでしょう。
オーバーラッピングとは
流れてくる英文のスクリプトを見ながら、音声と同時に発音していく勉強法です。実際に流れてくる音声に合わせて発音することで、正しい発音や発音スピード、発音のルールや抑揚を理解できるようになります。ネイティブの発音と自分の発音の違いを認識して、正しい英語の発音などを理解できるようになるでしょう。
シャドーイングとは
オーバーラッピングとは異なり、流れてくる英文のスクリプトを見ながら0.5秒ほど遅れて音読する勉強法です。オーバーラッピングと目的はほぼ同じで、音声と意味を結びつける効果が期待できます。少し遅れて発音することになるため、ネイティブの発音を一度耳にしてから進めることも可能です。
⑤リピーティングをする
リピーティングとは、流れたスクリプトの後に続いて真似をして英語を発音する勉強法です。英語の授業で教師がリピートを求めるイメージで問題ありません。英語を発するタイミングが異なるだけで、オーバーラッピングやシャドーイングとよく似ていますが、基本的にリピーティングではスクリプトを見ないほうが効果的です。
最初から全文をリピートしようとしなくても、フレーズごとに短く発音すると良いでしょう。慣れてきたタイミングで一文、二文と発音する英文の長さを長くしていくのがおすすめです。発音し終わった後でスクリプトを確認し、意味が分からなかった単語や聞き取れなかった箇所を確認して、再度リピーティングを行うのが効果的です。
⑥日常生活でリスニング習慣を取り入れる
日常生活でリスニング習慣を取り入れるのも有効な方法です。英語のニュースサイトや洋画・海外ドラマを英語版で視聴するなどが代表的な方法と言えるでしょう。流れてくる英語のスピードが速いので、集中してニュースサイトや映画の英語を聞き取ろうとすることが大事です。
英語のニュースサイトを利用する場合は、英語の音声が付いているサイトを選んでください。英文だけが記載されているサイトでも悪くはありませんが、正しい発音を身に着けるにはネイティブの発音が必要です。中継の動画や音声が付いているニュースサイトを選ぶと良いでしょう。
洋画や海外ドラマでリスニングを勉強する際は、日本語字幕ではなく英語字幕で視聴するのがおすすめです。何を言っているのかを確認するためには、音声と英文の2つが必要です。日本語字幕で意味を追いかけるのも良いですが、発音のルールや単語を正確に把握するためにも英語字幕で視聴するようにしてください。
リスニング力を鍛える効果が薄い勉強法4つ
リスニング力を鍛えるために勉強をしていても、効果が出ていないと感じたことがある人もいるでしょう。もしかすると、実践しているリスニング勉強法は、効果が薄いやり方になっているかもしれません。個人差はありますが、一般的にどのような勉強法の効果が薄いと言われているのか、詳しく解説します。
①聞き流しだけの勉強法
オーバーラッピングやシャドーイング、リピーティングなどの勉強法のように、耳だけではなく口を使って英語の発音を学ぶことで、より効率的に英語リスニングを学ぶことができるのです。
裏を返せば、聞き流すだけのリスニング勉強法は効果が薄く、上達に時間がかかってしまうことになります。当然、発音を学ぶという意味では有効かもしれませんが、意味が分からなければ上達しないため、聞き流すだけのリスニング勉強法はなかなか効果が出にくい勉強法と言えるでしょう。
②日本語訳を見ながらの勉強法
日本語訳を見ながらリスニングの勉強をするのも悪くはありませんが、学習効果としては薄い勉強法です。リスニングが上達しない理由として、耳にした英文を日本語訳して理解しようとするものがあります。リスニングを上達させるには、英語を英語のまま理解する必要があるのです。そのため、日本語訳を見ながらの勉強は効果が薄くなる可能性があります。
ひと通り耳にしたうえで日本語訳を見るのであれば問題ありませんが、聞きながら日本語訳を見ていると、英語をそのまま理解することができません。どうしても日本語に頼ったままリスニングを勉強することになってしまうため、あまり効果的な勉強法とは言えないのが現実です。日本語訳を見ながらではなく、英文を見ながらリスニングするようにしましょう。日本語訳は、問題を解いた後にチェックに使うのがベストです。
③イラストやグラフなどの視覚的な情報がある教材を使った勉強法
教材の中には、イラストやグラフなど、視覚的に情報を得やすい教材があります。これらを使用してリスニングを勉強するのもいいですが、視覚情報があると内容を推測できるようになってしまい、リスニングに頼らずに解答してしまう可能性があるのです。
リスニングを上達させるために必要なのは、自分のレベルや勉強法に適した教材を見つけることと、英語を英語のまま理解することです。イラストやグラフに頼らずに自分が英文を聞き取って理解できるのかの練習をしなければ効果的な勉強法とは言えません。問題の関係でイラストやグラフが入っているもの以外はあまりあてにせずに使う方が良いでしょう。
④目標やゴールのない勉強法
リスニング学習に限った話ではありませんが、目標やゴールを決めないまま勉強をしても成果につながっている感覚が薄くなる可能性があります。実際には成果が出ていても、具体的なゴールが明確になっていないため、どこまで勉強すれば終わりなのかがわからない状態です。
リスニング力を高めたいと思うのであれば、目標を設定して取り組むことをおすすめします。例えば覚えている単語数やリピーティングできる文章の量などを明確にすると良いでしょう。問題集一冊を完璧に仕上げるなどの、目に見える形の目標でも問題ありません。
英語のリスニング力を鍛える具体的な勉強法3つ
英語のリスニングを向上させるには、今まで紹介した勉強法を実践するほかにも方法があります。リスニングは慣れの部分も大きいため、覚えたからと言ってすぐに成績につながるわけではありません。自分に適した手段を見つけて、リスニングの勉強をすることが成果につながる近道です。
①学校の教科書や問題集を使う
学校の教科書や市販の問題集を活用して、リスニング力を向上させる方法があります。学校の教科書にはリスニングできるようにCDなどが付いているものがあり、家庭学習でリスニングが学べるものもあります。もし学校の教科書にCDなどが付いている場合は、ただリーディングだけで教科書を使うのではなく、リスニングにも応用しましょう。
教科書にCDなどが付いていない場合は、市販のリスニング用教材を購入するとよいでしょう。大学入試改革の関係で英語関連の教材は種類も増えたため、自分に合ったものをじっくり吟味して選ぶようにしましょう。
②視覚情報が少ない教材を使う
市販の教材を購入する場合は、視覚情報が少ない教材を購入するとよいでしょう。視覚教材があると本文を聞かなくても内容が予想できてしまう可能性があり、リスニングの勉強にならない可能性があるためです。
かといって、自分のレベルに合っていない問題集を使っても意味がありません。前提として、今の自分のレベルに適した英単語数や英文法を扱った問題集を選ぶことが重要です。問題集の表紙などに目安となる学年などが書いているなら、それを参考に購入するようにしましょう。英検®対策用の問題集もおすすめです。
③塾・予備校に通う
塾や予備校に通うのもリスニング力を高める有効な勉強法のひとつです。自力で勉強する方法はあるものの、リスニングを真剣に学ぶには指導役となる人がいたほうが効果的です。特に塾や予備校は、入試対策などの関係でリスニングに力を入れている場合も少なくありません。
英語は中学生・高校生問わず重要な科目に位置付けられています。リスニングに対する苦手を克服するために塾や予備校を活用するのもありですが、苦手にしないように早い段階で塾などを使って対策をしておくのも有効な勉強法です。
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