2025年度大学入学共通テストから新教科「情報」が実施されるなど、大学受験の動向が変化する中、大学受験の対策をいつから始めるべきか、悩みや不安を感じている高校生や保護者も少なくありません。大学受験の塾・予備校通いはできるだけ早く始めるのが大切です。大学受験に向けた塾・予備校選びのポイントなどを紹介します。
目次(クリックで開閉)
・大学受験対策の勉強の開始時期は何年生からが多い?・大学受験の対策は高3からでは遅すぎる5つの理由
┗①一般選抜で調査書を合否判定に使う大学が増えている
┗②大学進学者の約半数が推薦入試で合格している
┗③受験の基礎学力を付けるには時間が足りない
┗④大学や専攻学部の選択肢が限定されることも
┗⑤毎日コツコツ勉強しても難しい?学習習慣を定着するには時間がない
・塾・予備校に通うメリット・デメリットを学年別に紹介
┗高校1年から塾・予備校に通うメリット・デメリット
┗高校2年でも遅くない?予備校に通うメリット・デメリット
┗高校3年春からでは間に合わない?塾・予備校に通うメリット・デメリット
・私立大学対策は高3からでも大丈夫?受験教科が少なくても早くから始めるべき
・現役合格を目指す高校生の塾・予備校の選び方
┗大学の情報収集力に優れた塾
┗対面授業も映像授業も活用したハイブリッド授業を取り入れている塾
┗サポート体制の充実している塾
┗費用面も確認してコスパの良い塾
大学受験対策の勉強の開始時期は何年生からが多い?
全国の224人(15歳以上)を対象に「大学受験対策を本格的に開始した時期」について調査した結果によると、高3から始めた人は41%。約6割が高3以前から塾・予備校へ通っています。更にいうと、このデータは全国の高校生を対象にしているため、現在の大学進学率が約55%程度であることと、大学受験をする首都圏並びその近県の現役合格を目指す高校生に限っていえば、殆どの高校生が高校入学後、早い段階から塾に通い始めていることが考えられます。
※株式会社ウェブアップ 2023年度アンケート「受験対策時期について」より
大学受験の対策は高3からでは遅すぎる5つの理由
大学受験を考えている高校生は、できるだけ早く準備を始めることを強くおすすめします。志望校も決まっていないのに、どうして早く大学受験の準備をしないといけないのか疑問に思うかもしれませんが、令和時代の大学受験ならではの理由が4つあります。
①一般選抜で調査書を合否判定に使う大学が増えている
大学共通テストが導入された2021年から調査書(評定平均値)に記載される内容が拡充しました。高校1年から高校3年までの成績(内申点)、高校での学習態度や活動内容だけでなく、学年ごとの部活動やボランティア活動、表彰、資格や検定試験の取得、留学経験などについて記載されます。
これまで大学の一般選抜(筆記試験中心の入試)では調査書を重視する大学は少なかったのですが、2021年から一般選抜でも調査書の内容が合否に影響を及ぼすとする大学が増えています。今後も調査書を重視する大学が増加する傾向にあるのは間違いありません。但し、内申点による加点を行う場合は、大学の募集要項にあらかじめ記載されている必要があります。最新情報は、大学のHP等をご確認ください。
参考:文部科学省 入学者選抜実施要項 調査書(様式)
②大学進学者の約半数が推薦入試で合格している
今は大学進学者の約半数が推薦入試(総合型選抜含む)を利用しています。推薦入試では以前から調査書が重視されていたのですが、調査書はこれまで以上に大切になると考えられます。
大学の推薦入試は高校3年の秋ごろに実施されるのですが、高校3年生の春になり、推薦入試で大学へ行きたいと思っても、高校1年、2年の定期テストの点数が目安となる基準に達していないと一般選抜で受験するしか方法がなくなってしまいます。
内申点対策としてカギを握るのが高校の定期テストです。推薦入試で大学へ行くことを希望している人は、内申点を上げるため、できるだけ早く塾・予備校へ通うことが大切になります。
推薦入試を今は考えていない人も、高校3年生になってから方針が変わり、推薦で大学に行きたいと思うかもしれません。最近では、一般入試よりも推薦入試の合格枠を多くとる私立大学が増加しています。高校3年になって慌てないためにも、内申点を意識して定期テストに臨む必要があります。
③受験の基礎学力を付けるには時間が足りない
高校3年生になると、大学受験に必要な教科の履修がほぼ修了し、多くの進学校では、大学受験の問題演習に時間を割くことになります。土台となる基礎学力も身に付けた上で、自分のペースで勉強を進める人が増えてきます。
高校3年になって大学受験の勉強を始めるとなると基礎から復習し直す必要があります。入試までの少ない時間の中で合格レベルの学力を向上させるには相当の努力が必要となります。
④大学や専攻学部の選択肢が限定されることも
国公立大学や私立大学、文系や理系、学部学科など、大学進学を検討する場合、さまざまな選択をする必要があります。大学選びが将来の就職先や職業選びに影響を及ぼすこともあります。高校3年になってから志望校などを決めるには時間が足りず、間違った選択をして後悔することも考えられます。
できるだけ早い時期から大学受験の対策を行う塾・予備校に通うと、受験対策を行う時間が十分にあり、塾・予備校の教師が大学・学部選びのヒントを与えてくれることも期待できます。
⑤毎日コツコツ勉強しても難しい?学習習慣を定着するには時間がない
大学入試の問題は、高校受験と比べものにならないくらい範囲が広く、毎日コツコツ勉強していても、高校の授業だけでは太刀打ちできない問題が登場することもあります。
広範囲の学習内容をこなすには、必然的に勉強時間も長くなるため、高校3年の夏以降、部活動を終えてから塾・予備校に入り、1日何時間もの受験勉強を行うことは肉体的にも精神的にもかなりの負担となるかもしれません。
高校1年、2年ぐらいから塾・予備校に通い、毎日1時間でも勉強する学習習慣を身に付けて置くと、受験本番の高校3年になっても長時間の受験勉強が苦にならず、スムーズに受験生モードに突入することが可能です。
塾・予備校に通うメリット・デメリットを学年別に紹介
塾・予備校に通うメリット・デメリットを学年別に紹介します。調査書の成績は高校1年の1学期(もしくは前期分)から含まれているため、なるべく早い時期から塾・予備校に通い、対策を講じることが大切です。部活動や習い事など、自分のプライベートも考慮した上で、塾・予備校に通い始める時期を決めてください。
高校1年から塾・予備校に通うメリット・デメリット
高校1年生から塾・予備校に通う1つ目のメリットとして、継続的な学習習慣を身に付けられることが挙げられます。高校受験が終わったばかりだから、ゆっくりしたいという気持ちが起きやすくなるのですが、大学進学への意識が高い高校生の多くは1年生から通い始めています。
大学受験の土台作りに早いうちから取り組めるため、受験本番の高校3年になってもあわてずに対応することができ、国公立大学や私立大学、文系や理系、学部学科などを選びやすくなるのが2つ目のメリットです。
3つ目のメリットとして、高校1年から塾・予備校に通うと、国公立大学合格に向けての対策がしやすくなります。国公立大学の試験科目は私立大学よりも多く、大学の難易度が高くなればなるほど、理系学部であっても英語や国語といった文系科目が必須となるため、総合的な学力を習得しなければなりません。
内申点対策として定期テストで好成績を取りやすくなり、推薦入試に有利になることが4つ目のメリットです。
デメリットとして、超難関大コースや医学部コースといった、レベルの高いコースに入ると、大学受験を意識するあまり、高校よりも塾・予備校にウエイトを置いた生活になりやすく、部活や学校生活が楽しめなくなることが考えられます。
高校2年でも遅くない?予備校に通うメリット・デメリット
高校2年になると、受験に必要な科目の履修がほぼ修了するため、復習を始める絶好の機会となります。本格的な受験勉強を始めるのにまだ1年あるため、苦手科目対策や弱点を克服できることでしょう。
ただ、高校2年は修学旅行、学園祭などの学校イベント、部活動で忙しくなる学年でもあるため、塾・予備校が負担に感じることもあるかもしれません。
高校3年春からでは間に合わない?塾・予備校に通うメリット・デメリット
塾・予備校の高校3年向けカリキュラムをみると、志望大学に特化しているコースがあり、密度の濃い授業が期待できます。
高校1年、2年と塾・予備校へ通わなくても定期テストや模擬試験で結果を出してきた人、勉強する時間を自分で作り、学習習慣がある程度身に付いている人でない限り、相当な努力が必要となります。
平日で4時間以上、休日で10時間以上勉強しても苦にならない人、志望校の入るため努力できる人、塾・予備校での勉強に集中できる人だと、高校3年春から塾・予備校に通うメリットはありそうです。
学習習慣が身に付いていない場合、急激な変化に対応できず、塾・予備校通いで身体が疲れてしまい、精神的に追いこまれることも考えられます。本格的な受験生になってから、大学や学部選びをするため、行きたい大学や学部を変えざるを得なくなることもあります。
私立大学対策は高3からでも大丈夫?受験教科が少なくても早くから始めるべき
私立大学は確かに国公立大学と比べて、1科目から3科目と受験科目が少ないため、高校3年からでも間に合うのではと考えがちです。
しかし、科目数が少ないということは、大学入試で出題される内容が深く難しくなります。GMARCH以上の難関私立大学の入試問題は、高校の授業レベルをはるかに超えているケースも多く、記述問題でも、高校生レベルの知識では答え切れない問題になっていることもあります。
英語だけ、数学だけといった1教科受験の大学も同様で、かなり難しくなることを覚悟しておきましょう。1科目だけとあって人気があり、実質倍率が何十倍にもなることもあります。私立大学だから国公立大学より受験が楽、ということはありません。私立大学を受験する場合も、できるだけ早めに対策を始めたほうが良いでしょう。
現役合格を目指す高校生の塾・予備校の選び方
大学入試センターの「令和5年度大学入学共通テストの志願者数について」によると、志願者数は 51万2,581 人のうち、現役生(高校等卒業見込者)は43万6,873 人、既卒者(高校等卒業者)は7万1,642 人となりました。
志願者数全体に対する現役生である高等学校等新規卒業見込者(全日制高等学校3年、中等教育学校後期課程3年及び定時制高等学校4年の在学生)の割合は85%です。
現役で国公立大学や難関私立大学に合格するには、塾・予備校にできるだけ早く通うことが肝心です。現役合格を目指す高校生にとって、どのような基準で塾・予備校を選べばよいでしょうか。基準となるポイントとして4つあります。
大学の情報収集力に優れた塾
現役合格を目指す場合、指定校推薦も視野に入れて、大学の情報収集力に優れた塾・予備校を選ぶのがポイントです。
高校1年から定期テストで継続的に良い成績を取るだけでなく、調査書対策も兼ねて部活動や学校行事などに積極的に参加するのがおすすめです。資格取得も前向きに行いましょう。塾・予備校の中には、英語検定対策を無料で実施しているところもあります。
勉強や部活動などをバランスよく取り組み、高校生活を充実させるためにも、塾・予備校に通い、毎日一定の勉強時間を確保することが大切です。
対面授業も映像授業も活用したハイブリッド授業を取り入れている塾
部活動が長引く、学校行事の準備に時間がかかるなど、どうしても塾の授業に間に合わないこともあります。プロ教師によるリアル授業だけでなく、録画した授業を見ることができる仕組みがある塾・予備校だと安心です。
塾の授業を欠席したとき、定期テスト前に復習したいとき、いつでもどこでも繰り返し見ることができると、対面授業に出席した時も遅れを感じることはありません。
サポート体制の充実している塾
将来何をしたいのか分からない、行きたい大学・学部が見つからない、理系に進みたいけど苦手意識がある。そんな高校生も多いはず。サポート体制が充実している塾・予備校だと、大学受験に関する進路相談を定期的に行っています。
大学の受験方式が複雑化していることもあって、理系文系の選択、入試科目選び、併願校や出願日の選択などで悩む高校生もいます。生徒の悩みに寄り添い、生徒の目標や理想を尊重して最適なアドバイスをしてくれる塾・予備校はありがたい存在です。
費用面も確認してコスパの良い塾
どんなに授業内容やサポート体制が良い塾・予備校でも、毎月の費用が高額過ぎると継続して通うことはできません。経済的に制約がある中で、やりくりをして教育費を捻出しているご家庭もあります。
費用面も確認して、無理のない塾・予備校を探してください。これは、という塾・予備校があれば、体験授業に参加して、毎月かかる費用はどれくらいか直接聞いてみましょう。塾・予備校の毎月の費用は授業料だけではありません。教材費や管理費なども必要となります。
W早稲田ゼミとは
W早稲田ゼミでは、高校生を対象としたハイスクール校舎が複数ございます!
早期から大学受験を意識し、しっかりと基礎を固め対策に取り組むことが、受験を乗り切る一番の近道です。必ずしも将来的な入試科目を早期から全て受講する必要はありません。本人の学習定着状況や実際にどの程度の時間を学習に充てることができるのか?などを踏まえて、無駄のない効率的な学習計画をご提案させてたいだきます。
授業は、お通いの高校別・科目別・志望校別に細分化されたクラスを案内しており、全校舎 自習室を用意し常時質問対応をしています。無料の授業体験も行っておりますので、お近くの校舎まで是非お気軽にお問合せください。