大学受験対策として、塾・予備校に通うのが受験生の間で常識になっています。塾や予備校に通おうと思って調べたものの、塾と予備校の違いが分からず、どちらに通うべきか頭を悩ませる高校生も多いのではないでしょうか。塾と予備校ともに大学受験対策という目的は同じですが、その学び方の一部に違いがあり、向き不向きがあります。今回は、塾と予備校の違い、選び方のポイントを紹介します。ぜひ参考にしてください。
年間の料金目安については、こちらの記事「大学受験の塾や予備校の費用はいくらかかる?」をチェックしてみてください。
塾と予備校の違い
そもそも予備校も塾も『受験』という大きな目的は変わりませんが、そのための学び方が微妙に異なっています。
概要
塾
塾は、高校生までを対象に授業の理解度アップや定期テスト対策、そして大学受験対策まで幅広く行う場所です。
予備校
予備校は、高校生や高卒生(浪人生)を対象に、主に大学受験の対策を行う場所です。
授業形式
塾
塾の授業は、最終ゴール『受験』を視野に入れながら、学校の授業の予習・復習を通して、基礎から発展・応用までの内容を教えてくれるのが特徴です。そして、都度の確認テストなどを実施して内容が理解できているか、理解が不十分な生徒がいないかなどを細かく確認しながら授業を進めていきます。生徒と教師の距離が近いのもポイントです。
一部の塾では正社員のプロ教師が授業を担当し、生徒とコミュニケーションをとり、顔や名前、苦手科目などをしっかりと頭に入れて、丁寧に寄り添ってくれます。進路相談などを定期的に実施する塾も多く、保護者の相談にも応じてくれます。
予備校
予備校の教え方は、学校の授業などで一度は学習したことを前提に、講師の説明を聞きながらノートを取っていくのが一般的なスタイルです。選択するコースによっては、一人ひとりのレベルに合わせて基礎的な内容から学ぶこともありますが、基本的には講義を聞いて、自分で勉強をします。
予備校の講師は、基本的に講義をするのが仕事で、進路指導などを行うことはほとんどありません。
大学受験で塾に通うメリット・デメリット
塾と予備校の違いを踏まえた上で、塾のメリットとデメリットを見ていきます。
塾の5つのメリット
塾のメリットは以下の5つです。
- 効率的な学習サイクルを身に付けることができる
- 苦手科目でも一から教えてくれる
- 映像授業を何回もみて復習できる
- 進路指導をしてもらえる
- 学校の授業から大学受験対策まで対応
効率的な学習サイクルを身に付けることができる
学校が終わってから塾に定期的に通うのが基本スタイルで、効率的に学ぶ学習サイクルを身に付けることができます。ほとんどの塾では自習室を完備しており、塾に通う高校生は大学受験を視野に勉強しているため、自主的に勉強を進める学習スタイルが自然と身に付いていきます。
塾の指導形式はひと昔前までは集団指導、個別指導という具合に明確に分かれていたのですが、ハイブリット型といって、集団・個別の良いところを混ぜ合わせた形式の指導方法をとっている塾も増えています。
苦手科目でも一から教えてくれる
授業や模試などを通して生徒一人ひとりの得意・不得意を把握しているため、苦手な科目への対応方法、どうすれば苦手意識を克服できるか?定期テストの結果をあげられるか?を考えて、プロ教師が一から教えてくれます。また、教科指導だけではなく、考える力や書く力も伸ばしてくれるため、一般選抜以外でも入学する生徒を数多く輩出しています。
また、塾では、高校3年生からは過去問対策など、大学入試に特化したカリキュラムを組んでいて、受験スキルやテクニックも解説してもらえます。
映像授業を何回もみて復習できる
対面授業だけでなく、無料の映像授業を併用した塾もあり、映像授業を何度も見直すことで理解が深まり、定期テストで結果が出せるようになります。
進路指導をしてもらえる
大学入試に関する豊富なデータを持ち、これまでの経験に基づく正確な進路指導など、きめ細やかな対応してもらえるのも塾ならではです。また、家庭学習までも含めて生徒の学習を見ているのも塾の特長です。生徒との個別面談を定期的に取り組む塾もあります。
学校の授業から大学受験対策まで対応
現在の大学受験は一般選抜以外が約半数です。塾は推薦選抜にも一般選抜にも対応するために、高校の定期テスト対策から大学受験対策まで行うためのカリキュラムや授業を用意しています。定期テスト対策では、高い的中率を誇る高校別対策を実施し、高校1年生から推薦選抜も視野に入れた指導も行ってくれます。
塾のデメリットはあるの?
大学進学者の約半数が一般選抜以外を利用する傾向になり、そのカギを握るのが高校の調査書です。高校の授業を補い、定期テストで点数を伸ばすことが大学受験につながります。
以前は、一般選抜に特化した予備校が大学受験に強いと言われている時代もありましたが、現在、一般選抜以外が約半数です。つまり、推薦選抜等も含めて様々な入試制度に完全対応した塾の方が、メリットが大きいことはあっても、デメリットは特にないかと思われます。
大学受験で予備校に通うメリット・デメリット
予備校のメリット・デメリットをまとめました。
予備校の3つのメリット
予備校のメリットは以下の通りです。
- 大学受験に向けた実践的な指導
- 大学の入試情報が豊富
- 人気講師から教えてもらえる
大学受験に向けた実践的な指導
一般選抜を中心に大学受験に特化した知識をもっているので、指導をしてもらえるのが予備校のメリットです。入学時にテストを実施してコースを決める予備校も多く、大学受験に必要な受験テクニックを磨けます。
大学の入試情報が豊富
独自の受験システムを実施する大学が増えており、大学入試制度が多様化しています。大手予備校は大学入試に関する情報を豊富に持っているところも多く、高校の進路指導より詳しい情報を入手できることもあります。
人気講師から教えてもらえる
人気講師の講義を直接聞けるのも嬉しい点ですが、人気講師の授業は教室に入りきれないくらい人気があるため、別教室で映像を見ながら受講する可能性もあります。
予備校のデメリットは4つ
- 基礎学力があることが前提
- 自主性が重んじられる
- 授業が一方通行になりがち
- 進路指導が塾より手厚くない
基礎学力があることが前提
予備校の講義は、基礎学力があることが暗黙の了解です。基礎が身に付いていないと、応用問題などのレベルの高い講義についていけなくなることもあります。また、講義を聞いただけで勉強した気になってしまう人もいます。
自主性が重んじられる
塾では欠席が続くようであれば、自宅に電話が掛かってきて、生徒の状況確認や個別面談が行われ、対応を講じるのが一般的です。それに対して、予備校は、自主性が重んじられるため授業を欠席してもフォローが希薄になってしまうケースが多いです。
授業が一方通行になりがち
予備校の講義形式は、講師の話を聞くのが中心で、講師と生徒の距離感は塾と比べると遠いのが実情です。
進路指導が学習塾より手厚くない
予備校も塾のように進路指導を行っているところもあるのですが、予備校の担当スタッフが相談に応じます。塾のように生徒の苦手や得意分野を理解しているプロ教師が対応するわけではないため、塾と同様のきめ細かな対応は期待できないようです。
塾と予備校、それぞれに向いている生徒像とは?
塾
内申書や調査書のウエイトが増加している最近の大学受験対策には、塾がおすすめです。塾に向いている人は以下の通りです。
- 基礎から教わりたい人
- プロ教師に質問したい人
- 志望校が決まっていない人
- 個別に進路相談してもらいたい人
- 推薦選抜や総合型選抜も視野にいれて受験をしたい人
- 苦手科目を伸ばしたい人
基礎から教わりたい人
基礎から教わりたい人は予備校より塾が向いています。基礎が不十分な状態で予備校に通うと、難易度の高い講義が分からないまま進み、周りの生徒との差がどんどん開いてしまいます。大学受験に対するモチベーションが低下することも考えられるため、基本から丁寧にしっかり学びたい人は塾がおすすめです。
プロ教師に質問したい人
予備校の授業中は原則、講師に直接質問できません。学校の授業のように、授業中でも教師と会話のキャッチボールを行い、気軽に質問したい人は塾向きです。塾の中には教師に質問しやすい環境を作っているところもあります。
志望校が決まっていない人
塾は教師との距離が近く、生徒一人ひとりの学力レベルを把握した手厚い進路指導を受けることができます。志望校が決まっていない人は、教師と相談しながら志望校を絞ることができる塾が向いています。
個別に進路相談してもらいたい人
大学へは進学したいけど自分に向いている学部が分からない、自分の学力レベルで入れる大学を教えて欲しい、地元の国公立大学へ進みたいが一番効率的に合格できる方法は何か知りたいなど、高校の先生になかなか聞きにくい相談にも個別でアドバイスしてくれるのが塾の強みです。
推薦選抜や総合型選抜も視野にいれて受験をしたい人
予備校は一般選抜に対応した大学受験対策を主に行っているため、推薦選抜も視野に入れて大学受験を考えている人は、高校の授業対応や定期テスト対策が充実している塾へ通うのがおすすめです。
苦手科目を伸ばしたい人
医学部医学科にどうしても合格したいが、必須科目の化学が苦手で成績を伸ばしたい、英語の実力テストで点数を20点アップしたいなど、苦手分野を集中して克服したい人はぜひ塾の無料体験に参加してみましょう。
予備校
自主性を重んじる予備校に向いている人は以下の通りです。
- ある程度基礎学力がある人
- 自主的に計画を立てて勉強できる人
ある程度基礎学力がある人
ある程度基礎学力がある人は、予備校で受験テクニックを磨き、応用力を身に付けることをおすすめします。
自主的に計画を立てて勉強できる人
予備校は欠席しても誰も何も言いません。欠席するのも出席するのも自己責任なので、自主的に計画を立てて勉強できる人は予備校向きです。大学の一般選抜の試験日から逆算して段階的に学習計画を立てることができ、自分が今何をすべきなのかが分かっている人も予備校に向いています。
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