大学受験に合格するには、まとまった勉強時間を確保する必要があります。とはいえ、学年によって必要とされる平均勉強時間が異なり、どの程度時間を確保するのかわからなく悩みを抱えている人もいるでしょう。
本記事では、学年別の大学受験向けの勉強時間と国公立・私立大学合格に求められる勉強時間、勉強時間を増やす方法を紹介します。
【学年別】大学受験に必要な高校生の勉強時間
大学受験合格のための勉強時間を確保するには、学年ごとに工夫が必要です。実際の入試で出題される内容に対応するために時間を確保するのはもちろん、定期テストで好成績を残すことも重要になります。
大学受験に必要な勉強時間は、平日と休日、学年によって異なります。ここでは学年ごとに必要とされる勉強時間と具体的な勉強内容について詳しく見ていきましょう。
高校1年生
高校1年生は高校受験も終わり、新たな環境に身を置いたばかりです。部活や学校行事など、今までとは違うことばかりで、勉強に時間が割けないという人も少なくありません。しかし、高1のタイミングから大学受験のための勉強時間を確保しておくことで、あとあとまで続く勉強習慣を身に着けられるのです。
平日
平日は1~2時間程度の勉強時間が必要とされています。高校受験が終わってホッとしていたり、部活に打ち込んで勉強は後回しだったりすると、あとで苦労することになるかもしれません。
大学受験は高校受験よりも出題範囲が広く、設問数も増えます。高3になってから勉強をしても基礎学力をつけることに精一杯になってしまい、受験対策が万全に整わなくなる可能性もあるのです。
高1の平日は定期テスト対策に重点を置き、中学生のころよりもしっかりと対策しなければなりません。定期テストの結果は、大学受験合格に大きな影響を与えるためです。最低でも1時間、可能であれば2時間は勉強時間を確保するようにしましょう。
休日
休日は2時間の勉強時間を確保するようにしましょう。ほかの学年と比較すると休日の勉強時間が少ないように見えますが、毎日勉強する習慣と勉強方法を身につけるのが目的の高1は、長時間確保するよりも短くても毎日続ける「習慣化」が重要です。
勉強内容は平日と同じく基礎部分の勉強ですが、特に英語や理数系科目を重点的に勉強するといいでしょう。その理由の1つが理系科目の対策です。以下の表は、2023年1月に実施された共通テストの各科目の平均点です。
文系科目 | 理数系科目 | ||
---|---|---|---|
国語 | 105.74/200 | 物理基礎 | 28.19/50 |
世界史B | 58.43/100 | 化学基礎 | 29.42/50 |
日本史B | 59.75/100 | 生物基礎 | 24.66/50 |
地理B | 60.46/100 | 地学基礎 | 35.03/50 |
倫理 | 59.03/100 | 物理 | 63.39/100 |
政治・経済 | 50.96/100 | 化学 | 48.56/100 |
現代社会 | 59.46/100 | 生物 | 39.74/100 |
倫理/政治・経済 | 60.59/100 | 地学 | 49.88/100 |
英語(リーディング) | 53.82/100 | 数学Ⅰ・A | 55.65/100 |
英語(リスニング) | 62.35/100 | 数学Ⅱ・B | 61.48/100 |
参考:独立行政法人 大学入試センター「令和5年度大学入学共通テスト(本試験)平均点」より
上記の表を見比べてみると、文系科目より理数系科目が平均点は低く、あまり点数が取れていないことがわかります。理数系科目は高1からの積み重ねが重要になるため、高1から基礎を学んでおくとそれが本番で大きな差となるでしょう。
高校2年生
部活でも主力メンバーになり、学校行事でも中心を担うことが多くなってくる高校2年生は、高1以上に忙しくなるでしょう。学校生活にも慣れてくることで、気のゆるみが出てくる時期でもあります。しかし、大学受験は待ってくれません。高1から勉強時間の確保ができているのであれば、その習慣を崩すことなく継続することが重要です。
平日
高校2年生では2~3時間程度の勉強時間は必須と言われています。高1のときと同じく定期テスト対策に重点を置きつつ、同時進行で苦手科目の復習に時間をかけるようにしてください。
共通テストの出題範囲の約8割は高校1・2年生の学習範囲から出題されます。これだけ聞くと高校3年生になってからでも間に合いそうに感じる人もいるでしょう。しかし、実際は問題数も多く、範囲も増えています。教科数も大学受験のほうが高校受験より多いため、早い段階で対策しておくのがベストです。
現在進んでいる学校の授業に対する予習・復習はもちろん、1年生の段階で苦手としてしまった科目の復習を軸に基礎学力向上が重要です。高2は部活でも主力になったり修学旅行などの学校行事があったりと忙しいかもしれませんが、受験生になったときに苦労しないためにも勉強時間を確保しましょう。
休日
高校2年生になると、必然的に受験勉強で必要になる範囲を終わらせていることもあるため、それに比例して勉強の量も多くなります。高2の休日には4~5時間をめどに、長期休暇は頑張って6時間取り組んでみましょう。
部活との兼ね合いがあって難しい人もいるかもしれませんが、高2の冬休みが明けると受験シーズンが本格化します。休日は1日6時間以上確保したい時期に入るため、冬休みのタイミングから取り組んでおくのがおすすめです。
とはいえ、過去問題や予想問題集をする段階ではありません。どちらかというと学校の授業の予習・復習に力を入れる時期でもあるため、無理に難しい問題に挑戦する必要はないでしょう。
受験生(高校3年生)
受験生と呼ばれる高校3年生になると、周囲の進学希望者は受験モードに突入するでしょう。夏休み前と秋以降では確保したい勉強時間が異なるほか、勉強内容にも違いが出てきます。勉強習慣を早いうちに身につけておけば、いきなり長時間の勉強時間を確保して続かなくなる可能性は低くなるでしょう。志望校合格に向けたラストスパートをかける学年です。
平日
受験生と呼ばれるようになった高校3年生では、平日3~4時間は最低でも確保したいところです。この時期になると学校の勉強もそうですが、参考書の予想問題や過去の入試問題、模試などを用いて本番に備えるようにしましょう。
夏休み前までは部活動もあるかもしれませんが、夏休みを境に引退して本格的に勉強する人も増えます。もし高3までに毎日1~3時間の勉強習慣がついていれば、そこまで苦痛に感じることはありません。
一方で学習習慣が身についていないと、集中して勉強時間を取るのが精神的にも肉体的にも難しくなりがちです。基礎学力などの勉強内容も含めて苦労するポイントが多いため、高3になってから本気を出すのではなく、高1からコツコツと積み重ねていくことが重要です。
休日
受験生である高校3年生になると、休日は6~8時間程度の勉強時間を確保するようにしましょう。1学期の間は難しかったとしても、夏休みには進路指導の先生から「10時間勉強しなさい」と言われることも珍しくありません。今まで部活動を頑張ってきた人は気が抜けてしまう時期かもしれませんが、ここが踏ん張りどころです。
勉強する内容は志望校によって異なりますが、秋以降は共通テストや2次試験対策、過去問題の演習が中心です。このタイミングで基礎を復習していると、実戦形式の問題が手つかずのまま本番を迎えることになってしまいかねません。
平日と合わせると膨大な時間を勉強に費やすことになるでしょう。気を抜くとだらけてしまう人も少なくないため、1日のスケジュールに勉強時間と内容を組み込んで取り組むようにしてください。
【大学別】大学受験に必要な高校生の勉強時間
ひと口に大学受験といっても、最難関大である東京大学や京都大学国公立大学を狙う場合と、早慶上智やGMARCHなどの私立大学を狙う場合では勉強の内容が異なります。志望大学が変わると必然的に勉強時間も変わってくるのは言うまでもないでしょう。何がどのように変わってくるのか、何時間ほど違うのか自分の目標と照らし合わせて見ていきましょう。
国公立大学の場合
国公立大学の受験は、昔から言われている5教科8科目(厳密には6教科であり、理科①を選択した場合は9科目)を共通テストで受験し、さらに2次試験に挑戦しなければなりません。混同される二つの大学ですが、具体的には以下の違いがあります。
国立大学 | 公立大学 | |
---|---|---|
運営元 | 国立大学法人 (国が母体) | 公立大学法人 (地方自治体が母体) |
入試に必要な科目数 | 5教科7科目以上 | 学校により異なる |
試験日程 | 前期後期制 ※後期がない大学もある | 中期制 ※前後期がない大学もある |
公立大学は私立大学と同じく3教科で受験できる大学もあれば、国立大学に近い受験科目数を課される大学もあります。基本的には私立大学よりも科目数が多いことがほとんどであるため、勉強する範囲は多くなると考えておきましょう。
勉強時間だけで合否は図れないものの、国公立大学の合格者は3,000時間以上、東京大学などの難関国立では3,500時間以上の勉強量が必要とされています。高3の1年間だけでは到底賄いきれないため、高1・高2の段階から受験勉強を始める必要があるのです。
私立大学の場合
私立大学の場合は共通テストが必須ではないものの、利用するか否かで必要な科目数が変わります。一般的に国立大学よりも科目数は少ないが、勉強時間が短くて済むわけではありません。
私立大学は国公立大学と比較しても数が多く、その数だけ違った出題傾向があります。複数の私立大学を受験する場合には各大学の出題傾向に応じて勉強しなければならず、結果的に勉強時間を少なくできるとはならないのです。
また、国公立大学のすべり止めとして私立大学を受験する場合も同様です。勉強時間の目安は明確にはありませんが、国公立大学合格者と同じだけ勉強時間を確保するに越したことはありません。
大学受験の勉強時間を増やす3つの方法
大学受験合格を目指して勉強時間を増やすには、主に以下の3つの方法があります。
- やり始めて最低3週間は継続する
- 高校1・2年生の間に予習の習慣を作る
- 隙間時間を有効活用する
それぞれ詳しく解説します。
やり始めて最低3週間は継続
「継続は力なり」の言葉もあるとおり、受験勉強も継続の積み重ねです。勉強時間を確保してスタートしても、部活や学校行事で疲れて帰ってくることもあるでしょう。ついつい「今日はいいや」となってしまう気持ちもわかります。
しかし、勉強習慣を確立するには最低3週間の継続が必要と言われています。個人差はありますが、3週間をめどに継続するようにしましょう。一日のスケジュールに学習時間を組み込んでしまうなども習慣化に効果的です。
高校1・2年生の間に予習の習慣を作り
高校1・2年生の間は基礎学力の定着と同時に、予習の習慣を作りましょう。高校の授業は学ぶことが多く、授業のスピードも中学校までのそれとは比べものになりません。
少しでも学校の授業に追いつくためには、予習をしておくことです。こうすることで事前に理解した状態で授業を受けられるため、一層理解が早くなるでしょう。同時に、予習ではわからなかったことの解決も早くなるため、一石二鳥です。
定期テスト前でも、予習をしておくと試験範囲を早く終わらせられるため、浮いた時間を受験勉強に回せます。テスト勉強のやり方については「大学受験には高校の定期テストが大切?定期テストで高得点が狙える勉強法」で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
隙間時間を有効活用
活動が盛んな部活や習い事をしていると、勉強時間の確保が難しいのが現実です。そんなときは隙間時間を活用するといいでしょう。
例えば電車通学なのであれば電車に乗っている時間に英単語や古文単語を勉強する、テスト前はノートを見直すなどです。習い事の送迎が車やバスの場合も同様に活用すると、細切れでも勉強時間が確保できます。
また、普段の起床時間より1時間ほど早く起きて勉強時間に充てるのもいいかもしれません。夜遅くまで勉強する人がいますが、それよりも朝早く起きて勉強したほうが脳の整理が済んでいるため、勉強に向いているといわれています。夜更かしよりも朝活を意識しましょう。
大学受験の勉強時間を効率的に使うポイント
増やした勉強時間を効率よく使うには、主に以下の3つの方法があります。
- 効率良い休憩
- 効率良い時間帯選択
- 効率良い学習環境
効率良い休憩
一説によると人間の集中力は長くても90分のようなので、長い時間続けて机に向かうのではなく、適度に休憩をとりメリハリをつけて勉強することも大事です。休憩の際はスマートフォンを見るのではなく、好きな飲み物を飲むであったり、体操のような軽い運動をするなど、短時間でモチベーションがあがり、頭をリセットできる事を選びましょう。
効率良い時間帯選択
普段の起床時間より1時間ほど早く起きて勉強時間に充てるのもいいかもしれません。夜遅くまで勉強する人がいますが、それよりも朝早く起きて勉強したほうが脳の整理が済んでいるため、勉強に向いているといわれています。夜更かしよりも朝活を意識しましょう。
効率良い学習環境
塾・予備校に入って学習するのも有効な方法のひとつです。塾の自習室を活用すれば、家とは異なった環境に身を置く緊張感や静かな環境によりから集中できる人も多いでしょう。会話音のような環境音が学習効率に与える悪影響は「教室内音環境が学習効率に及ぼす影響」の論文で明確にされていますので、勉強する環境を気にしてみると良いでしょう。
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