大学受験を目前に控えた高校3年生や、何となくでも興味を持っている大学がある高校1・2年生にとって夏休みは非常に大事な時期です。しかし、自分一人ではどうしようもない人もいるでしょう。そんな時に活用したいのが塾や予備校の夏期講習です。
本記事では、高校生の夏期講習にかかる費用や大学受験への影響、塾・予備校のメリットを解説します。夏休みに夏期講習を受けようと思っている高校生の皆さんは、ぜひ参考にしてください。
目次(クリックで開閉)
・夏期講習の意義
・夏期講習の費用相場
┗学習塾の場合
┗予備校の場合
・塾や予備校の夏期講習は大学受験にプラスになるのか?
・塾や予備校の夏期講習に参加するメリット
┗夏休み中にだらけない
┗苦手科目の克服や総復習ができる
┗先生に相談できる環境で勉強できる
┗志望校ごとの対策ができる
・塾や予備校の夏期講習に参加するデメリット
┗高3になると費用が高くなることがある
┗勉強した気になってしまう可能性がある
┗復習に十分な時間が割けない可能性がある
・塾や予備校の夏期講習の選び方
┗カリキュラムや授業形態が合っているか判断する
┗志望校の進学実績があるかをチェックする
┗費用がいくらかかるか確認する
┗周囲のレベルが自分に合っているかを確認する
・塾や予備校の夏期講習だけで大学合格には近づけない
夏期講習の意義
夏期講習は、その名の通り夏休みの期間を利用して集中的に講義を実施する塾・予備校の集中講義のことです。早いところでは5月下旬あたりから募集を開始し、7月20日前後から8月末日まで実施される場合がほとんどです。
学校の授業がストップしている夏休みの約1ヶ月半の期間を利用して、復習や志望校の対策を実施します。学年や志望校によってカリキュラムは変わりますが、通常の塾・予備校のカリキュラムとは異なる内容で進むのが特徴です。
予備校の場合は進学に向けた予習や対策がメインですが、塾はその塾によって方針が異なります。復習メインの塾であれば復習が、予習メインであれば予習がメインカリキュラムです。
夏期講習の費用相場
費用相場は、学習塾か予備校かで金額が異なります。また、地域によって金額も異なるため、あくまでも参考の費用として理解しておいてください。
学習塾の場合
学習塾の場合は、学年によって金額が異なります。詳細は以下の通りです。
学年 | 費用相場 |
---|---|
高校1・2年生 | 6~8万円 |
高校3年生 | 8~10万円 |
授業のコマ数が増えれば金額は高くなりますが、高校1・2年生の場合は、部活動などの関係で物理的にコマ数を多く受講できないため、英語と数学を中心として積み上げ式の科目が夏期講習の対象となっている場合がほとんどです。
高校3年生になると、受験に必要な科目を追加で選択する生徒も多いため、金額も高くなる傾向です。志望校によっては特定の大学に特化したコースも用意されており、受講する場合はさらに費用が高くなることもあります。
予備校の場合
予備校の場合は1講座当たりの費用が決まっているため、受講講座数に応じて費用が変動します。全国展開している予備校の夏期講習費用は以下の通りです。
塾・予備校 | 費用 |
---|---|
A予備校 | 18,400円/講座 |
B予備校 | 22,400円/講座 |
C予備校 | 19,250円/講座 |
D予備校 | 17,500円/講座 |
E塾 | 20,600円/講座 |
予備校は1講座で数回の授業がセットになっている場合がほとんどで、それに伴って費用も高くなります。
C予備校は映像授業の費用。それ以外は集団授業です。希望する科目に合わせて受講するようにしましょう。
塾や予備校の夏期講習は大学受験にプラスになるのか?
塾や予備校の夏期講習は、大学受験に影響を与えるか否かが気になる人もいるでしょう。個人差はありますが、効果がないとはならず、何かしらプラスになる場合がほとんどです。
共通テストを例に出すと、試験の内容は8割が高校1・2年生の内容から出題されており、復習が必須です。しかし、通常は高校の授業に合わせて学習をしなければならず、なかなか復習に時間が割けないという人も少なくありません。
夏休みは高校の授業がストップし、まとまった時間を復習に使える貴重な時間です。この時間を利用して総復習をしておくことで、共通テストの対策にもなるでしょう。
また、大学受験に向けて対策をしたい高3生にとっても、学校の授業の進度を気にすることなく対策できる重要な期間です。夏期講習の中で対策する時間が設けられている塾・予備校もあるため、有効活用すべきでしょう。
ただし、最後は自身の努力が合格につながるかどうかを左右します。夏期講習を受けたからといって必ず合格につながるわけではないことを理解しておいてください。
塾や予備校の夏期講習に参加するメリット
夏期講習だけでも塾や予備校に通うメリットはあります。代表的なものは次の4つです。
- 夏休み中にだらけない
- 苦手科目の復習ができる
- 先生に相談できる環境で勉強できる
- 志望校ごとの対策ができる
詳しく見ていきましょう。
夏休み中にだらけない
夏休みは学校の授業が止まってしまい、イベントも数多く行われる時期です。受験生である・ないにかかわらず、勉強を後回しにして遊んでしまう人も少なくないでしょう。特に高校生は中学校よりも夏休みの宿題が少ないため、だらけてしまっても無理はありません。
夏期講習に参加することで、特定の時間に勉強をすることになるためだらける可能性が少なくなります。「夏休みまで勉強したくない」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、ライバルは夏休み中に差をつけている可能性があります。
特に高3は受験の天王山ともいわれる大事な時期です。自分一人では勉強できない、だらけてしまうというのであれば、夏期講習の受講をおすすめします。
苦手科目の克服や総復習ができる
繰り返しになりますが、高校の授業が止まる夏休みは復習に時間を使うのに最適なタイミングです。普段は都度の授業のための学習や学校行事で復習まで手が回らない人がいるかもしれません。そんな人にとっても夏期講習は非常に貴重な機会になるでしょう。
また、苦手科目を抱えている人も、復習を通じて克服するチャンスです。一人ではできない苦手科目の克服も、夏期講習に参加していればそのハードルは低くなります。塾や予備校を利用して、弱点や苦手を克服しておくようにしましょう。
先生に相談できる環境で勉強できる
塾や予備校には教師がいます。一部の塾や予備校になりますが、随時、質問や進路の相談ができるというメリットがあります。授業の時はもちろんのこと、自習室を使っているときでも質問・相談ができるため、一人では勉強できない・解決できない悩みを抱えている人にはありがたい環境です。
人がいる環境を心強いと思う人もいるかもしれません。せっかく夏期講習を受けているのであれば、徹底的に利用したほうが進路実現への近道になるでしょう。
志望校ごとの対策ができる
主に高3生にとって、夏期講習は志望校ごとの対策ができる時期です。復習をメインにカリキュラムを組んでいる塾・予備校がほとんどですが、志望校の過去問を利用して対策することも可能です。
塾・予備校によっては夏期講習中に特定の大学への対策に特化した講座が開講する場合もあります。国公立や難関私立大が対象であることがほとんどですが、少しでも合格に向けて対策したい人にはおすすめです。
塾や予備校の夏期講習に参加するデメリット
メリットが多い高校生の夏期講習ですが、デメリットがあることも忘れてはいけません。代表的なものは以下の通りです。
- 高3になると費用が高くなることがある
- 勉強した気になってしまう可能性がある
- 復習に十分な時間が割けない可能性がある
塾や予備校の選び方によっては回避できるデメリットもありますが、夏期講習を受けることで上記の3点を感じてしまう人も少なくありません。詳しく見ていきましょう。
高3になると費用が高くなることがある
夏期講習は通常の授業よりも高めに授業料が設定されている塾・予備校が多く、学年に関係なくまとまった費用が必要になります。特に高3はコマ数や難易度の関係でほかの学年よりも費用が高額になってしまう可能性があるのです。
受験生であり内容も難しいため仕方のないことですが、安い塾や予備校を選んでしまうと期待した成果が出ない可能性もあります。内容と費用をしっかりと検討し、どこで夏期講習を受講するかを判断しましょう。
勉強した気になってしまう可能性がある
夏期講習を受講したことで、勉強した気になってしまう可能性があるのもデメリットのひとつです。夏期講習で授業を受けたことで「十分勉強できた」と思い込んでしまい、授業以外で勉強しなくなってしまうかもしれません。
夏期講習といえども、復習は必須です。講習で学んだことは早いうちに復習をしなければ、自分のものにできなくなるとエビングハウスの忘却曲線などの心理学・脳科学の領域で示されています。夏期講習だけで満足せず、受講後は復習するようにしましょう。
(引用:大阪教育大学付属天王寺中学校「記憶の保持率と時間の関係から考える効果的な復習方法」)
復習に十分な時間が割けない可能性がある
特に高1・2の場合、夏休み中も部活動や習い事の関係で時間のやりくりが難しい人もいます。夏期講習だけの受講の場合は、普段の部活動や習い事に塾・予備校も追加されるため、時間が取れずにまともに復習の時間が割けないという結果になってしまうかもしれません。
高1・2の間から志望校を決めるのはいいことですが、自身が割くべき部活動・習い事の時間との兼ね合いを考えて夏期講習を受けることをおすすめします。たくさん講座を取ってライバルに差をつけたいと思う人もいるかもしれませんが、無理をして結果に結びつかなければ本末転倒です。受講前にしっかりと検討しておくようにしましょう。
塾や予備校の夏期講習の選び方
夏期講習を受ける前には、検討している塾・予備校の違いをしっかり検討しましょう。また、自分の状況をしっかりと俯瞰して、どこで夏期講習を受けるかを選ぶことをおすすめします。
カリキュラムや授業形態が合っているか判断する
ひと口に夏期講習と言っても、集団授業形式や映像授業、AI教材を用いた自習形式など様々な形態があります。また、塾の場合は復習中心か予習メインかの違いもあります。これらの条件から自分に適した授業形態や方針の塾・予備校を選択しましょう。
なかなか想像できない人もいるかもしれませんが、成績を上げるためにはカリキュラムや授業形態は重要な要素となります。無理をして合っていない形態で授業を受けても成果にはつながりにくいことがほとんどであるため、慎重に検討しましょう。
志望校の進学実績があるかをチェックする
志望校の進学実績は、夏期講習だけではなく塾・予備校を選ぶ上で欠かせないポイントです。進学実績が多いということは、それだけ生徒を対象の大学に進学させるノウハウを持っているというのと同義です。
判断する際は、直近のものだけではなく過去数年分の実績を見るようにしましょう。塾や予備校によっては特定の年だけ合格実績が良かったり悪かったりします。総合的に判断するためにも、最低でも過去3年分は合格実績を確認することをおすすめします。
費用がいくらかかるか確認する
夏期講習にかかる費用は高額になりがちです。夏期講習は普段の塾・予備校よりお金がかかるとは言いつつも、普段通っていない人や夏期講習が初めての人からすると驚いてしまう可能性もあるでしょう。
どの程度費用が掛かるのか、受講前に把握しておくことをおすすめします。受講前に学力テストを実施する塾の場合、結果をもとに夏期講習のおすすめ取得講座を提示される可能性もあるため、鵜呑みにせず予算と相談しつつ優先順位の高いものから受講するようにしましょう。
高3の場合は本当に必要な科目のみを選択するように工夫することで費用を抑えることもできます。ただし、費用面ばかり気にしすぎていてもいけません。夏期講習の内容と費用をしっかりと天秤にかけ、志望校受験に必要な授業を受けるようにしてください。
周囲のレベルが自分に合っているかを確認する
集団授業形式の場合は、周囲のレベルと自分のレベルが合っているかを確認するようにしましょう。学力別でクラス編成されていることもありますが、無理をして難しい授業を受けても、自身の学力が足りていなければついていくだけで精一杯になってしまう可能性があります。
また、授業の雰囲気も確認しておくべきポイントです。がっつり勉強したいのであれば厳しめの指導を前提としている塾を、ゆったりと勉強したいと考えているのであれば、進度が緩やかな塾を選ぶといいでしょう。口コミや友人の感想などを参考にすると良いかもしれません。
塾や予備校の夏期講習だけで大学合格には近づけない
塾や予備校の夏期講習は、特定の目的を達成するために開講する集中講義です。大学全入時代と言われて久しい昨今、大学受験に向けて夏期講習で徹底的に勉強しようと考えている人も少なくありません。
ひとつ注意しておきたいのは、夏期講習だけで大学受験対策は完成しない点です。夏期講習の期間中や終了後も、継続して勉強を続ける必要があります。
おすすめは、夏期講習以降も塾に継続して通い、勉強習慣を身に着けることです。特に高1・2年生は、努力次第で今の学力以上の大学に合格できる可能性が高くなるでしょう。個人の努力も大切ですが、継続して勉強できる環境として塾や予備校に通うことも重要です。
夏期講習だけで受験勉強した気にならないためにも、夏期講習終了後も継続して通うことも検討しておきましょう。特に大学受験で成果を出したいと考えている人は、夏期講習だけではなく引き続き通うことを前提に夏期講習を受講するようにしてみてはいかがでしょうか。
W早稲田ゼミについて
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授業は、高1から入試までステップを追って、共通テスト対策、志望校対策をしていきます。また、お通いの高校別・科目別・志望校別に細分化されたクラスを案内しており、全校舎で自習室を用意しています。自習室では、常時プロ教師が質問対応をするなど、徹底的に学習をサポートします!
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