国語の勉強の仕方がわからないという声をよく耳にします。すべての教科の基本ともいえる国語ですが、勉強法がわからず困っている人は少なくありません。しかし、正しい勉強法を身に着ければ、おのずと成績アップにつながっていきます。
本記事では、国語の成績が上がらない原因と分野別の効率的な勉強法を解説します。
国語の成績が上がらない勉強法
国語の成績が上がらない理由は、国語に対して以下のような対応・考え方をしているからかもしれません。
- 漢字や文法の対策をしていない
- 読解問題を感覚で解いている
- 古文・漢文の勉強を避けている
- 「国語はセンスで解ける」と思っている
それぞれの詳細を見て見ましょう。
漢字や文法の対策をしていない
漢字や文法の勉強をおろそかにしている人は国語に対して苦手意識を抱くことが多いとされています。高校卒業までの時点で2,136個の常用漢字を覚える必要があるのは大変です。しかし、漢字の読み書きができなければ問題文や出題されている長文を読むことができません。また、文法も同じく、軽視していると問題は理解できても問われている答えを探し出せない可能性があります。
何よりも、定期テストや入試で、漢字と文法は覚えていれば解ける問題です。配点こそ高くはないものの、少しでもテストで結果を残したいのであれば、漢字と文法で点数を落とさないような勉強をするが必要です。
読解問題を感覚で解いている
国語のテストで配点の多くを握っている読解問題を何となくの感覚で解いている人も苦手意識を持ちがちです。書いてある文章を読んで情景を思い浮かべて、根拠もなく解答をしてしまうパターンです。特にこの傾向は読書好きな子に多い傾向にあり、何となく内容を理解して点数が取れてしまうことがあるため、いざ入試などで出題される難しい問題を解くとなった場合に主観が入り込んでしまいます。
国語の読解問題では、出題者の意図を汲み取って解答する必要があり、読書で必要な力とは違うスキルが要求されます。つまり、読み手の主観や感覚だけで解答しても正解にはたどり着けないのです。問題文に書かれた出題意図を汲み取って、的確に根拠を探してそれを論述する力を鍛えなければ、国語の点数アップ・偏差値アップにはつながりません。
古文・漢文の勉強を避けている
古文は日本の江戸時代以前の文章を、漢文は中国の昔の文章のことです。代表的なものは古文が「竹取物語」や「枕草子」、漢文が「矛盾」や「漁夫之利」があります。
読解問題と比較すると、中学生の間は文法を学校で教えてもらえる機会が少ないため、勉強する動機が見つからないという人も少なくありません。また、現代語訳(日本語訳)も教科書や参考書に書かれていることが多いため、自分で翻訳しなくてもいいのも古文・漢文を勉強する意図が見いだせない理由のひとつです。
古文・漢文は比較的簡単な問題が出題されるため、国語においては貴重な得点源です。内容の暗記や要点を理解していれば点数が取れる、言い換えれば、古文・漢文を勉強していなければ得点源を無駄にしてしまう単元です。きちんと勉強をしてしっかりと得点につなげられるようにしてください。
「国語はセンスで解ける」と思っている
「国語はセンスで解ける」と思っている人がいますが、必ずしもそうとは言えません。勉強法を身に着けることで、国語の点数は着実にアップできるようになります。センスで問題が解ける人がいることも事実ですが、それだけですべて解決できないことを覚えておきましょう。
国語は他の科目と比較してひとりで勉強するのが難しい科目でもあるため、問題集や参考書を使いながら勉強する必要があります。どうしても難しい場合は、塾や予備校で基本的な解き方を身に着けるとよいでしょう。
また、古文・漢文などのように内容を覚えて演習を繰り返すことで得点に結びつく単元もあります。このように、ひと口に国語といても複数の単元があり、勉強法も様々です。国語が苦手な人は「センスがない」とあきらめるのではなく、得点できる勉強法を身に着けるようにしましょう。
【分野別】国語の効率的な勉強法
国語は大きく分けて3つの分野があります。それぞれ効率的な勉強法が異なるため、別々に方法を覚えるとよいでしょう。本記事では、以下の3つの分野の効率的な勉強法を紹介します。
- 漢字・文法
- 読解問題
- 古文・漢文
漢字・文法の勉強法
漢字は小学校から高校卒業までで2,136文字も覚えなければなりません。こう聞くと大変そうに感じますが、貴重な得点源であるため、日ごろから勉強法を実践して身に着けるようにすると良いでしょう。
また、文法も覚えていれば解けることが多く、漢字と同じく得点源になるものです。ぜひ勉強法を身に着けて、しっかりと点数が取れるように対策しておくことをおすすめします。漢字の勉強法の詳細は「漢字の覚え方を効率的にマスター!点数の取りこぼしを解決しよう」も参考にしてください。
漢字と文法は読解力の基礎であることを知る
大前提として、漢字と文法は読解力を身に着けるための基礎知識であることを理解しておきましょう。いずれも国語のような長文を読み解くには必須であり、これらの力がついていないと正解にたどり着けないだけではなく、問題の主旨を理解できずに終わってしまいます。
例えば読解問題の中に「この形容詞がかかっている名詞は何か」と問う問題が出されたとします。文法事項を知っていれば直後の名詞に形容詞がかかっていることを解答できますが、覚えていなければ解答そのものができないままになってしまうかもしれません。漢字も同じくカタカナになっている部分に正しい漢字を書き記す必要がある問題が多い傾向にあるため、覚えていれば難なく解答できるはずです。
また、国語だけではなく、すべての科目で漢字と文法は必須です。この2つがわかっていないと問題文に何が書いてあるのかを理解できないまま終わってしまう可能性があるためです。問題文の意図を汲み取って解答するためにも、漢字と文法は絶対に身に着けるべきものであることを理解しておきましょう。
辞書や文法の参考書を手元に置いて勉強する
わからない漢字や語句、文法に出くわした際にすぐに解決できるよう、辞書や文法の参考書を手元に置いて勉強するのがおすすめです。
特に入試の過去問を解く場合は、いつも以上にわからない単語や用語に目を光らせてください。毎年同じ文章が出題されるわけではないものの、普段は目にすることがない文章から出題されることも多く、その分学びも多くなります。時間はかかりますが、ひとつずつ意味を調べてノートに書き写し、語彙力(ボキャブラリー)を増やしていくことが重要です。
尚、入試で出題される文章であっても、学校で使っている辞書や文法の参考書で十分調べられるものばかりである場合が殆どです。新しく辞書などを準備する必要はなく、普段使っているものを準備して勉強するようにしましょう。出てきたわからない漢字や文法をまとめるためのノートを作っておくと、定期テスト前や入試の直前、通学途中などの隙間時間に復習するのにも役立ちます。
読解問題の勉強法
読解問題とひと口に言っても、内容は説明文・論説文と小説文・随筆文に分けられます。この2つは性質が異なり、それぞれ別々に勉強法があります。両者の効率的な勉強法を見てみましょう。
説明文・論説文は段落ごとに要点をまとめながら読む
説明文・論説文とは、筆者が実験や観察を行った結果わかった物事や仕組みについて記述している文章のことです。小説などと違い、読書が趣味という人でも、説明文・論説文に関連する本を好んで読む人は少ないのではないでしょうか。
この2つを勉強する際は、必ず前後のつながりを意識しつつ、段落ごとに何が書かれているのかを読み解きながら問題を解くことです。前の段落では根拠が書かれているのか例が書かれているのか、今読んでいる部分で何を主張したいのかを意識しながら読みましょう。特に意識すべきポイントは指示語です。「こそあど」と呼ばれるこれ(この)・それ(その)・あれ(あの)・どれ(どの)が何を指しているのかを補填しながら読み進めることで、内容をより具体的に理解できるようになるでしょう。
また、説明文・論説文を読むうえで重要なポイントの一つとして、各段落に書かれている要点となる一文を探し当てることです。基本的には一文一義の原則で書かれているため、一文に注目することも重要です。その同じ意味を持った集合体が段落であり、説明文・論説文を読み進めるうえで欠かせない存在でもあります。論理的読解力を養うためにも、一文一文の役割が何なのかを考えて読み解くように演習してください。
小説文・随筆文は心理描写に注目する
小説文はその名の通り小説の一部を抜粋したもので、随筆文とは、筆者の経験などをまとめた文章のことです。この2つを読み解くうえで注目すべきなのは、登場人物や筆者の心理描写です。実はこの部分が、趣味は読書という人にとって最も厄介なポイントと言われています。
普段から読書として読む小説であれば、書かれていることをそのまま理解すれば問題ありません。しかし、国語の問題としての小説文・随筆文は、登場人物や筆者の心理から何が起こっているのかを客観的に読み解く必要があります。例えば文中に「悲しい」「楽しい」なのどの心理描写が出てきた場合、登場人物が何を根拠にその感情を示しているのかを読み取らなければなりません。
「自分なら」と主観を入れずに考えることが、普段から読書をする人にとっては厄介な存在と言われています。作者や筆者は何を根拠にその心理描写を描いているのかを、本文を通じて読み解くようにしましょう。
古文・漢文の勉強法
主に中学生の古文・漢文は、現代文の読解問題とは異なり点数を稼ぎやすい単元です。特殊なルールや現代文法にはない単語や使い方があるのは事実ですが、それさえ覚えてしまえば定期テストや入試で点数につながるようになるでしょう。具体的な勉強法を解説します。
辞書を引きながら単語や文法・読解のルールを理解する
古文では、教科書に載っている「竹取物語」や「枕草子」などを原文で暗唱しつつ、現代語訳も暗記してしまうのがおすすめです。その際に心がけたいのが単語の意味や文法を一緒に覚えることです。高校入試の場合は細かな文法事項が問われることもあるため、辞書を片手に逐一意味を理解しながら読み進めるようにしましょう。
漢文も同様に暗唱できるようにしておくのがベストです。漢文の場合はレ点や一・二点などの返り点のルールもしっかり復習してください。あとは読解問題と同じように内容を読み解いていく練習をすれば、得点につながりやすくなります。
とはいえ、中学生の段階では文法に関する問題はあまり出題されません。文法の細かいルールを理解するというよりは、その文法によって現代語訳ではどのように翻訳されるのかを注目して読むようにすると良いでしょう。
主語を補いながら読み進める
特に古文を読み進める場合は、主語を補いながら読むようにしてください。古文は主語を省略しながら書かれていることが多く、動作や感情の主が誰かわかりにくいことがあります。この動作や感情は誰のものなのかを明確にすることで、内容の正誤を問う問題が出題されても解答できるようになります。
漢文は主語が省略されているケースもあれば、別の呼び方に置き換わっている場合もあり、古文以上に厄介な場合があります。古文と同じように動作や感情の主は誰なのかを補いながら読み進めることで、内容がわからなくなるという事態を防止できます。必ず主語は誰なのかを明確にして読み解くようにしてください。
現代語訳には主語が誰なのか書かれていることも多いため、そちらを参考にするのもありでしょう。但し、入試対策をする場合は翻訳している時間がないため、原文に主語を補って読み進める練習をしたほうが得策です。勉強する目的に応じて勉強法が異なる点に注意し、定期テストと入試それぞれに見合った勉強法を実践することが重要です。
【目的別】国語の点数・偏差値を上げるための勉強法
国語のテストは、定期テストと受験の2パターンあります。その際に点数を取るためには、それぞれのテストで結果が出るような勉強法を実践する必要があります。それぞれ詳しく解説します。
定期テスト対策
定期テストで点数を取るためには、テスト範囲の内容に合わせて精度を高めていく必要があります。漢字や文法は範囲に合わせて復習を行い、読解問題と古文・漢文はワークや問題集の演習に取り組んで対策しましょう。配点が小さな分野でも、積み重なればまとまった点数になるため、積極的に取りに行くようにしてください。
また、定期テストでは教科書に準拠したワークで出題されている予想問題に取り組むことが重要です。予想問題はそのまま定期テストで出題される可能性が高い問題でもあります。裏を返せばワークの問題を完璧に仕上げておけば高得点につながる可能性もある領域です。実戦に沿った問題演習をして定期テストに備えましょう。
受験対策
受験の対策としてまず行うことは、出題傾向を理解することです。大問ひとつ当たりの本文の量や問題の出題形式などを理解し、対策を練る必要があるでしょう。読解問題で記述式の問題が多く出題されているのであれば、記述の練習をするようにしてください。
入試問題では教科書で採用されている文章が出題されることのほうが少ないため、過去問や予想問題集を用いた対策が必要です。多くの文章に触れて読み解けるようにしておくことで、入試で初見の文章が出ても対策しやすくなるでしょう。
また、近年は作文を出題する高校も登場しており、読解問題とは別のスキルが求められます。作文は問題文を読み解く力だけではなく、論理的文章を書けるだけの論理力や表現力が必要です。対策をすればクリアできるため、受験までの勉強計画を立てて対策しましょう。
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