ひと口にノートと言っても、授業ノートと復習ノートでは取り方が違います。ベストは自分が見やすい、復習しやすいノートを作ることが優先ですが、なかなか上手くいかずに悩んでいる人もいるでしょう。
本記事では、授業ノートと復習ノートの基本的なノートの取り方と、やってはいけないノートの取り方について解説します。ノート作りに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
目次(クリックで開閉)
・中学生、高校生の授業ノートの取り方。5のコツ!
┗①遠目で見てわかりやすいノートにする
┗②大切なことがすぐわかるようにする
┗③黒板の内容を丸写ししない
┗④ノートを取ることに集中しすぎない
┗⑤論理的に書く
・中学生、高校生の復習ノートの作り方。10のコツ!
┗①授業を受けた当日に作る
┗②ポイントは端的に、記号を使いながら書く
┗③ボールペンや蛍光ペンを活用する(例:社会のノート)
┗④大事な部分がすぐわかるようにする
┗⑤イラストや図を入れる(例:社会のノート)
┗⑥余白を取ったノート作りを心掛ける
┗⑦文字の大きさ・見出しの大きさをそろえる
┗⑧間違った問題を消しゴムで消さない
┗⑨付箋などでインデックスする
┗⑩記憶を呼び起こせる工夫をする
・やってはいけないノートの取り方
┗全教科で1冊のノートを使う
┗色を多用しすぎない、黒しか使わない
中学生、高校生の授業ノートの取り方。5のコツ!
授業ノートは、ついつい授業中に先生が板書した内容を書き写すことに必死になりがちです。きれいさは二の次で、とにかくノートを取ることに集中している人も少なくありません。
ですが、授業ノートこそ、きれいにわかりやすく書く必要があります。授業ノートがきれいに取れていれば、復習やテスト勉強で大きな効果を発揮することでしょう。実際の生徒の授業ノートを参考に基本的なノートの取り方を5つ紹介します。
①遠目で見てわかりやすいノートにする
最も重要なことは、遠目から見ても何が書いてあるかわかりやすいノートを作ることです。以下の写真を見てください。
古典のノートですが、文字も大きく色使いもシンプルで何が書いてあるかわかりやすくなっています。わかりやすいノートを作ることで、定期テスト前の見直しでも、どこが重要なのかなどが一目で分かるようになるでしょう。もったいない使い方に見える人もいるかもしれませんが、見やすいノートを作って学習効率を高めることも大事であることを理解する必要があります。
②大切なことがすぐわかるようにする
先ほどと同じ写真を見てもらうとわかりますが、大切な部分はどこなのかが一目で分かるようになっています。色使いの方法については後述しますが、どこがこのページで重要なのかをわかりやすくすることも重要です。
ポイントは、自分なりのルールを設けることです。特に重要な部分は赤い文字や囲みで、次に重要な部分は青文字や囲みを使うなどが挙げられます。ルールは人によって異なりますが、全教科で同じルールを適用して大切な部分がすぐわかるノートを作ることも重要です。
③黒板の内容を丸写ししない
ノートを取る時の注意点として、先生が黒板に書いたことを丸写ししないことが重要です。黒板に書かれている内容は、重要なことが多いものの、すべて必要なことばかりではありません。黒板の内容をノートに書き写す際は、何が重要なのかを吟味した上で、そのポイントだけを書き写すようにしましょう。
授業はあくまでも理解することが目的であり、解説や板書を書き写すことではありません。教科書を見直せばわかる内容などは書き写さず、情報の取捨選択をすることが重要です。
④ノートを取ることに集中しすぎない
ノートを取ることがメインになって、授業に集中できない状況になってしまっては意味がありません。黒板と同じく、授業で最も重要なことは、授業の内容を理解することです。ノートにばかり集中が向いてしまい、授業が理解できていなければ意味がありません。ノートを取る時は黒板や先生の解説をよく聞いて、重要なポイントは何か、何をノートに書き残しておくのかを意識しましょう。
⑤論理的に書く
ノートを取る時は、論理的に書くようにしましょう。重要なキーワードやポイントを書き残すことは重要ですが、それだけ書いても見直したときになぜそれが重要なのかがわからなくなってしまいます。
あとから見直して論理的に理解できるように書き記したり、時系列や関係性を整理したりして書くようにしましょう。授業ノートはとにかく後から見直したときに理解できる、授業の内容を思い出せるノート作りが重要です。
中学生、高校生の復習ノートの作り方。10のコツ!
復習ノートは授業ノートよりも時間をかけて作ることができます。しかし、時間がかけられる分、作り方や作るタイミングで悩んでしまう人も少なくありません。
授業ノートのように急いで作る必要がない反面、授業ノートでは書けなかった内容などを足してより分かりやすいノートを作るように心がけましょう。実際の生徒の復習ノートを参考に作り方でポイントになることを解説します。
①授業を受けた当日に作る
復習ノートは授業を受けた当日に作るのが鉄則です。授業を受けて時間が経過してしまうと、せっかく受けた授業内容を忘れてしまうためです。記憶が新しい授業当日に、家に帰って復習ノートを作ることをおすすめします。
もし、ノートと教科書が一体になっているものを使用している場合は、別のノートを作るようにしましょう。図解や表を作成して、教科書だけではわからないことや書き込めない内容を書き込むのがおすすめです。
②ポイントは端的に、記号を使いながら書く
ポイントとなる部分は、端的に書くことを意識しましょう。復習ノートは自分が理解しやすく作ることが重要です。長く文章を書いて論理的に書き記すことも重要ですが、端的にまとめて重要なポイントはどこなのかをわかりやすくすることも重要です。
また、復習ノートを見やすくするには、記号などを使用することも大切なポイントといえます。
写真の下部中央付近にあるように、矢印などを用いて書くといいでしょう。他にもわからない箇所には「?」、テストに出すといわれた場所は「!」など、自分でルールを定めて記号を使ってわかりやすく仕上げるようにしてください。
③ボールペンや蛍光ペンを活用する(例:社会のノート)
ボールペンや蛍光ペンを活用して、わかりやすいノートを作ることも重要です。授業ノートでも同じことが言えますが、要点を理解しながら書き写している授業ノートでは、色の使い分けが難しい場合もあります。復習ノートを作る際に工夫して、わかりやすい色使いで書くことが重要です。
例えば重要な場所は赤のボールペンや蛍光ペンで、単語や赤で書いた内容の次に大事なことは青色など、自分でルールを決めて書くようにするといいでしょう。おすすめは黒を除いて2色以内にすることです。
④大事な部分がすぐわかるようにする
復習ノートは大事なことが多くまとめられるため、重要度別にわかりやすくする工夫が必要です。絶対に抑えておきたいポイントは色ペンを使って囲むなどの工夫をしましょう。
但し、重要なことが続く場合はページが重要ポイントだらけになってしまい、結局何が最重要事項なのかわからなくなってしまいます。こちらも自分でルールを設けると良いですが、1つの基準として同じマークや囲みをするのは1ページにつき3つまでとするといいでしょう。
⑤イラストや図を入れる(例:社会のノート)
文章だけではわからない内容は、イラストを描いたり図を挿入したりして視覚的にわかりやすくすることも重要です。
上記の写真であれば、地図がそれに該当します。位置関係を理解できるのはもちろん、民族の移動や戦争が勃発した場所などを地図内に書き込めるようになります。自分で書くのが大変な場合は、資料などをコピーして必要な部分だけを張り付けても良いでしょう。
⑥余白を取ったノート作りを心掛ける
ノートを使う際に、余白などを極力使ってびっしり書こうとする人がいますが、あまりお勧めできる方法ではありません。授業ノートの時にも触れましたが、ノートは見直したときにわかりやすいことが重要です。もったいなくて余白も埋めてしまいたくなる気持ちはわかりますが、あえて余白を作ってノートを見やすくすることも勉強効率を上げるノートの作り方の鉄則です。
特に古典のようなメモの量が多くなるノートや、数式を記述する数学などの教科は、余白を作って見やすくする工夫が必要です。余白をもったいないものと考えるのではなく、見やすくするための工夫だと考えましょう。
⑦文字の大きさ・見出しの大きさをそろえる
授業ノートでは難しいかもしれませんが、復習ノートでは文字の大きさや見出しの大きさは統一するようにしましょう。小さなメモは例外ですが、文字の大きさをそろえておくとノートが見やすくなり、テスト勉強などの復習する場面で有効活用できるようになります。
すべて同じ文字の大きさにするのではなく、単元名・見出し・本文で大きさを変えるとノートが見やすくなるでしょう。文字のサイズや色に特定のルールはないため、自分でルールを決めて書くようにしてください。
⑧間違った問題を消しゴムで消さない
復習ノートで説いた演習問題で間違ってしまった場合、消しゴムで消すのではなく残しておくようにしましょう。間違えた問題は、自分が理解できていないことを示すひとつの目印です。テスト前などに重点的に復習するためにも、間違った問題を残しておいて復習に役立てるようにしてください。
間違った問題に対する答えは、赤の蛍光ペンを用いて書くと良いでしょう。赤色の下敷きなどを使うと蛍光ペンで書いた箇所が見えなくなるため、復習の際も便利です。この時も元の解答は消さず、必ず残しておくようにしてください。
⑨付箋などでインデックスする
復習ノートを作る際は、付箋などを使ってどこに何が書いてあるかをわかりやすくインデックスすることも実践しましょう。インデックスすることでわからない個所や重要な個所を、ノートを開かずにわかるようになるため非常に有効な方法です。
付箋は使うものを統一し、色や記号もルールを決めて使うようにしましょう。色ペンと同じく複数の種類や色を使ってしまうと、パッと見て何かわからなくなってしまうためです。ノートの作り方で重要なことは、ひと目でわかりやすくすることです。そのためのルールをしっかり決めて実践することをおすすめします。
⑩記憶を呼び起こせる工夫をする
授業中に先生が話した内容や特徴的なエピソードがあれば、それも復習ノートに記載するようにしましょう。復習ノートを見直したときに「これ、なんだっけ」となってしまっては本末転倒です。授業中にあった印象的な話や自分が思った疑問や感想などを一緒に書き記しておきましょう。
詳細に書く必要はありませんが、復習ノートを作る時には印象的な内容でも忘れてしまっている可能性があるためです。メモ書き程度でいいので残しておき、記憶を呼び起こせるような一言を復習ノートにも反映するようにしてください。
やってはいけないノートの取り方
ここまで、授業ノートと復習ノートで実践すべきノートの作り方を紹介しましたが、一方でやってはいけないノートの取り方もあります。大きく分けると、次の2つです。
- 全教科で同じノートを使わない
- 色を多用しすぎない、黒しか使わない
どれもノートの取り方においてやってしまいがちなことばかりです。それぞれなぜやってはいけないのかをしっかりと理解しておきましょう。
全教科で1冊のノートを使う
ノートの節約や荷物軽減のために同じノートに全教科の内容を書いている人がいますが、これは決してやってはいけません。授業ノートと復習ノートの混同も厳禁です。ノートは見返したときにわかりやすくすることが重要であるため、複数の教科を同じノートに書くとどこに何が書いてあるのかがわかりにくくなってしまいます。そもそも、ノートの取り方は教科によって違うため、必ず教科ごとに分けてノートを作るようにしましょう。
教科ごとのノートの取り方のポイントを以下にまとめました。ぜひ参考にしてください。
国語
ノートを横向きにして2分割し、下半分をメモできるスペースにするのが国語のノートの取り方の基本です。ほかの教科と異なり縦書きを多用する国語は、ノートも縦書きにできるような工夫をする必要があります。
下のメモスペースに重要な内容をまとめておくことで、定期テスト前のテスト勉強で効果を発揮するでしょう。また、感じたことやよくある間違いなど、先生が話した内容をまとめるのにも有効です。
数学
数学は復習ノートとして、練習問題を解答するノートを作成しましょう。数学には多くの問題がありますが、基本問題をマスターすれば、多くの問題を解答できるようになる点はすべて共通しています。図形やグラフを書くこともありますが、基本的には基礎の徹底とマスターが大切です。
解答できなかった問題は再度解き直しをしたり、わからなかった個所をポイントとしてまとめたりして有効活用しましょう。定期テストまでに完璧にしておくことが理想的です。
理科
理科は実験や観察の関係でイラストや図解が多くなりがちです。復習ノートを作る際は、特に実験器具や観察に用いる道具を大きくはっきりと書き、わかりやすくすることが重要です。
計算を伴う問題は、なぜその公式になるのかを論理的にまとめておくことも忘れずにやっておきましょう。ひと口に理科といっても大きく4つ(生物・物理・化学・地学)に分けられますが、図解を大きく書くことと公式の理屈を押さえておくことの2点を意識すれば、どの分野のノートを作ることになっても応用できるでしょう。
社会
人物や年号・法律名などを覚えることが多い社会は、赤の蛍光ペンと赤シートを用いて文字を隠せるようにすると良いでしょう。暗記科目と呼ばれるほど覚えることが多い社会科は、ノートを作るだけではなく、そのノートを最大限に活かす工夫が必要です。
また、地図やグラフなどが多く出てくる教科でもあります。ノートに大きく書き移したりコピーして貼り付けたりして、自分でわかりやすくまとめると良いでしょう。
英語
英語は英文と和訳を並べて書くことで、効率的に単語や文法、イディオムが覚えられるようになります。単純に英文だけを書き写すよりも効果が高いため、ぜひ和訳を英文の下に書くようにしてください。
また、復習ノートを作る時には、習った英単語や文法を用いて簡単な英作文を作ってみましょう。習った内容をアウトプットすることで、英語での表現力が豊かになります。難しく考えず、気になるトピックや好きな内容で英作文を書いてみるのもいいかもしれません。
色を多用しすぎない、黒しか使わない
特に復習ノートでやりがちなことが、色を多用することです。確かにボールペンや蛍光ペンを使うことで視覚的にきれいにはなりますが、勉強効率が高まるノートができるかと言われれば話は別です。色を使う際は黒を含めて3色までに抑え、それぞれに意味を持たせるようにしましょう。
逆に、黒のボールペンだけでノートを書くのもNGです。見やすくはなりますが、重要な個所がわからなくなってしまうため、単色でのノート作りはやってはいけません。
マイルールを作る必要はあるものの、勉強効率を高めるためには3色以内の色を使ってわかりやすいノートを作ることが重要です。3色以上使う場合も色が多くなりすぎないようにルールを決め、そのルールに則ったノート作りを心がけてください。
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