公立中高一貫校に合格するためには、高い倍率をクリアしなければなりません。特に埼玉県・群馬県・栃木県にある公立中高一貫校は倍率が非常に高く、一筋縄ではいかないのが現状です。合格を勝ち取るためには受験に合格できるように勉強方法を確立する必要があります。
本記事では、公立中高一貫校に合格するための勉強方法や6つのコツ、必要とされる勉強時間の目安を解説します。中学受験の中でも公立中高一貫校を目指している人は、ぜひ参考にして勉強に役立ててください。
目次(クリックで開閉)
・公立中高一貫校に合格したいなら適性検査の特徴を踏まえた勉強方法が大切
┗適性検査は3種類ある
┗適性検査の出題範囲は小学校で学んだレベル
┗知識や問題文の読解力が試される
┗作文力も公立中高一貫校の合格には必須
┗英語の対策が必要な公立中高一貫校が増加
・公立中高一貫校に合格する子どもの特徴
┗問題文や長文から必要な情報を抜き出す力がある
┗情報を整理して、自分の考えや意見をまとめて表現できる力がある
・公立中高一貫校に合格するため勉強方法の6つのコツ
┗①国語と算数・英語の基礎学力を身に着ける
┗②読解能力を鍛えるため教科書や子ども新聞を繰り返し読む
┗③ニュースを見て意見やポイントをまとめる
┗④論理的思考力を身に着けられる問題集を解く
┗⑤月に1本は作文を書く
┗⑥過去問を解いて弱点を補強する
・公立中高一貫校合格に必要な勉強時間の目安
┗個人差や情報源の違いはあるが6年生で3~5時間が一般的
┗基礎学力の有無で必要な勉強時間が異なる
・塾なしで公立中高一貫校に合格はできるのか?
公立中高一貫校に合格したいなら適性検査の特徴を踏まえた勉強方法が大切
公立中高一貫校の入試は、適性検査と呼ばれています。私立中学のように学力試験とは呼ばないのは、学校教育法において公立中学校の入学者選抜で学力試験を実施しないと規定されているためです。
そのため「じゅけん」という漢字も、広く使用されている「受験」ではなく「受検」が用いられます。意味するところは同じです。本記事では主に公立中高一貫校に合格するための情報をお伝えしますが、中学受験などの一般的な表現も多くあるため、便宜的に受験の表記で統一します。
適性検査は3種類ある
ひと口に適性検査と言っても、その種類は3つに大別できます。中学校によって異なりますが、次のように出題内容が分かれているのが特徴です。
- 適性検査Ⅰ:国語および作文
- 適性検査Ⅱ:算数・理科・社会の混合問題
- 適性検査Ⅲ:面接などの独自試験
私立中学校とは異なり、科目ごとに試験が分かれていません。基本的には混合問題として出題されることが多く、特定の科目が独立しているケースは少ない傾向にあります。参考までに、群馬県・埼玉県・栃木県の代表的な公立中高一貫校の適性検査は次の通りです。
上記のように、学校によって適性検査と言っても内容は異なります。詳細は各中学校について説明した記事を確認してください。
適性検査の出題範囲は小学校で学んだレベル
一般的に中学受験というと、難しい問題が出題されるイメージを抱きがちです。複数科目の混合問題が出題されるため、各科目の知識がまんべんなく求められるのは事実ですが、出題内容のほとんどは小学校で習った範囲が中心となります。
特に算数は、つるかめ算のような、塾に通って対策する問題が出題されると思っている人も少なくありません。しかし、公立中高一貫校の適性検査は、あくまでも公立の学校であるため小学校で学習したこと以外の内容は出題されないのです。
知識や問題文の読解力が試される
中学受験と聞いて真っ先に思いつくような難しい問題こそ出題されにくいものの、科目を横断した混合問題であるため、各科目の基礎知識は必須です。また、読解問題も多く出題されるため、ただ単に知識があればいいというわけでもない点に注意しなければなりません。
公立中高一貫校の適性検査の問題は比較的長文であり、必要な箇所から適切な回答を読み取る必要があります。読解力に関してはある程度の力が必要となるため、独学で受験をする場合でも勉強の中に読解力を身に着けられるような内容を盛り込みましょう。
作文力も公立中高一貫校の合格には必須
読解力と同時に重要になるものが作文力です。特に公立中高一貫校の適性検査の場合は、問題を読んで自分の意見をまとめたり、要約したりする問題も出題されます。ポイントは自分の考えを書くことであるため、学校で課される感想文や私立中学で求められる小論文とは異なる点です。
回答する内容が異なるため、対策方法も感想文や作文とは違います。詳細は後述しますが、日ごろから自分の意見をまとめる練習をしておく必要があるでしょう。
英語の対策が必要な公立中高一貫校が増加
埼玉県立伊奈学園中学校の適性検査Ⅰでは、英語が混合問題の中に含まれています。近年では英語を適性検査に含める公立中高一貫校も増えており、一定の対策が求められるようになりました。
他の科目と同じく、英語も取り立てて難しい問題が出題されるわけではありません。一方でリスニングをはじめとする、普段小学校ではあまり触れない出題形式で出題される場合もあります。英検®5~4級程度の実力があれば解ける場合も多いため、受験勉強の中に英検®を含めるのも良いかもしれません。
公立中高一貫校に合格する子どもの特徴
公立中高一貫校に合格する子どもには、共通した特徴があります。代表的なものは次の通りです。
- 問題文や長文から必要な情報を抜き出す力がある
- 情報を整理して、自分の考えや意見をまとめて表現できる力がある
これらの特徴は、天性のものとして得意としている子どももいれば、努力によって身に着けられる子どももいます。言い換えれば、自分で得意だと思っていなくても、努力次第で身に着けられる特徴です。「特徴に当てはまらない」と悲観的になるのではなく、ないのであれば受験勉強を通じて力をつけましょう。
問題文や長文から必要な情報を抜き出す力がある
公立中高一貫校で出題される問題はひとつひとつが長く、読解力や情報を抜き出す力が必要になります。この能力が高いと、公立中高一貫校の受験に適していると言われており、入試問題が比較的簡単に感じるかもしれません。
しかし、これらは個人差や普段の習慣によって差が生じるポイントでもあります。基本的に作文や読解の力はどの中高一貫校を受験するにも求められる力であるため、苦手意識を持っている人は日常の読書を増やすなど対策するようにしてください。
情報を整理して、自分の考えや意見をまとめて表現できる力がある
作文に関連することとして、自分が得た情報を整理して文章にしたり、得られた情報を基に自分の意見をまとめたりするのが得意な人も公立中高一貫校の受験に適していると言えます。感想文や小論文とは違う能力であり、普段から自分の意見や主張をまとめる機会がある人ほど得意な傾向があります。
普段からニュースを見て家族で話をしたり、日記をつけていたりすると得意になる人が多いようです。情報のポイントはどこなのか、何を自分の意見として取り上げるのかなどを見極められる力が、公立中高一貫校の入試では求められます。
公立中高一貫校に合格するため勉強方法の6つのコツ
公立の中高一貫校に合格するためには、具体的な勉強方法を理解しておく必要があります。いずれも高い倍率を潜り抜けて公立中高一貫校の合格を目指すのであれば、欠かすことはできません。具体的な勉強方法について6つのコツを解説します。
①国語と算数・英語の基礎学力を身に着ける
公立中高一貫校の入試を受けるのであれば国語と算数の基礎学力向上は必須です。問題自体は難しくないものの、基本の計算や語彙力が問われるのは、どの中学校も共通しています。これらの問題に対応するためにも、特に国語と算数の基礎を徹底しておく必要があるでしょう。
また、併せて英語も対策をしてください。すべての公立中高一貫校の入試で採用されているわけではありませんが、すでに出題されることがわかっている公立中高一貫校を受験する場合は勉強しておいてください。
理科や社会の勉強も必要です。中学受験をするのであれば、基本的には4科目、必要に応じて英語の勉強もしなければならないことを覚えておきましょう。
②読解能力を鍛えるため教科書や子ども新聞を繰り返し読む
学校の教科書を読み込むことでも、読解力を身に着けることができます。公立中高一貫校の入試問題の土台は小学校の教科書であるため、教科書を読み込んでおけば読解力を鍛えられるでしょう。ポイントは、単元で区切って2~3回読み、その後単元ごとに自分で解説を作ることです。
教科書以外では子ども新聞がおすすめです。読書でもいいのですが、適性検査で試される力は情緒力ではなく論理的思考力力で、求められているものが異なります。論理的な力をつける文章として最適なのは子ども新聞であるため、定期購読して読むようにするといいでしょう。
③ニュースを見て意見やポイントをまとめる
ニュースをひとつ取り上げて家族と意見を交わし、それをまとめる作業をすることも公立中高一貫校の受験に最適な勉強方法です。難しいニュースである必要はなく、興味のあるニュースをひとつピックアップし、それを毎日行います。話し合う内容およびまとめる内容は次のポイントを意識しましょう。
- どんな内容のニュースなのか
- 誰に関係する出来事なのか
- なぜニュースとして取り上げられるのか
- 自分ならどうするか
- ニュースのその後はどうなる可能性があるか
まとめる際は、200~300文字程度にまとめるようにしてください。この勉強方法を実践することで、論理的に考える力と説明する力、まとめる力が付きます。
④論理的思考力を身に着けられる問題集を解く
公立中高一貫校の適性検査で重要なのは論理的思考力です。論理的思考力とは、物事を筋道立てて考える力のことであり、公立中高一貫校の入試だけではなく、大人になってからも多くのシーンで求められる力でもあります。
論理的思考力を身に着けるためには、子ども新聞やニュースのほか、専用の問題集を解くのも有効です。塾などのプロ教師が作成した内容を学ぶことで、独学で学ぶよりも効率的に論理的思考力を身に着けることができるでしょう。
⑤月に1本は作文を書く
与えられた情報をもとに要約する能力を鍛えるのは大事なことです。しかし、要約だけできるようになっても、作文力は向上しません。要約だけではなく、自分の意見をまとめた作文を、最低月に1本は書くようにしましょう。
取り上げるトピックは気になったニュースで構いませんが、要約にならないように注意が必要です。始めのうちは自分の意見をまとめるうちに論点がズレてしまう可能性がありますが、気にせず毎月新しいニュースや話題で作文を書き続けていれば、作文力が身についていきます。
⑥過去問を解いて弱点を補強する
6年生以降には、過去問や分野別対策の問題集を解くようにしましょう。受験する公立中高一貫校によって出題される内容が異なるため、受験する公立中高一貫校の過去問や対策問題集を使用してください。その中で発見した弱点や課題は、重点的に対策するべきポイントです。
弱点はそのままにせず、必ず対策するようにしましょう。得意分野で点数を稼ぐのもひとつの方法ですが、特に作文や要約の問題が多い場合は点数配分があいまいなケースも珍しくありません。必ず過去問を完璧にするようにし、弱点補強に努めましょう。
公立中高一貫校合格に必要な勉強時間の目安
公立中高一貫校に合格するための勉強方法のコツを見てきましたが、そもそも合格に必要な勉強時間はどのくらいなのでしょうか。実は私立中学の受験よりも公立中高一貫校の受験に必要とされている勉強時間は短い傾向にあり、人によっては6年生からの対策でも間に合う場合があるのです。
具体的に何時間程度の勉強時間が必要になるのでしょうか。私立中学受験の勉強時間よりも短い理由も含めて解説します。
個人差や情報源の違いはあるが6年生で3~5時間が一般的
多少の個人差はあるものの、公立中高一貫校の受験で合格するために必要とされている勉強時間は6年生で1日3~5時間程度と言われています。私立中学受験が4~6時間と言われており大きな差はないものの、1時間ほどの差があるのは事実です。
背景には、出題傾向の違いが関係しています。本記事の冒頭でも触れた通り、公立中学校の入学者選抜では学力試験ができないと法律で定められています。そのため出題内容は小学校の教科書の内容をベースにしており、多くの対策が求められる私立中学の入試問題とは根本的に別物です。そのため、勉強時間も私立中学の受験よりも公立中高一貫校のほうが短いと言われているのです。
基礎学力の有無で必要な勉強時間が異なる
上記で紹介した勉強時間は、個人の基礎学力次第なところがあるため、あくまでも目安として覚えておく必要があります。国語や算数の基本ができていなければ、1日当たりに必要な勉強時間は増えていきます。人によっては6年生から対策をしていては間に合わないケースもあるため、自身の学力がどの程度なのかを理解して受験の準備を進めなければなりません。
明確にするためには、模試を受けるといいでしょう。模試の結果を確認することで、基礎問題が解けているかどうかが一目でわかるようになります。公立中高一貫校の受験を検討しているのであれば、遅くとも5年生の夏ごろには1度模試を受けておくことをおすすめします。
塾なしで公立中高一貫校に合格はできるのか?
基礎学力もついていて、公立中高一貫校の受験に適しているとされる人の特徴に当てはまれば、塾なしで合格できそうと考える人もいるでしょう。確かに私立中学の受験よりも難易度そのものは低いものの、塾なしで合格できるほど簡単ではありません。
大前提として覚えておきたいのが高い倍率です。私立中学よりも高い倍率を戦わなければならない公立中高一貫校の受験では、少しの対策の抜けや漏れが合否を分けます。塾なし・独学で完璧にできる自信があったとしても、プロの手を借りて対策をした方が合格できる可能性はぐっと高くなるでしょう。塾なしでも合格は不可能でありませんが、少しでも合格の可能性を高めたいのであれば塾で勉強することをおすすめします。
W早稲田ゼミについて
W早稲田ゼミは埼玉・群馬・栃木県で小学校2年生~を対象にした学習塾です。全校で約50校舎を展開しています。
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