普段は塾に通っていない人でも、長期休暇である夏休みだけでも塾に通いたいという人もいるでしょう。しかし、夏休みが長いと言っても日数にすれば長くても約40日程度。本当に効果が期待できるのか疑っている方も少なくありません。
今回は、小学生・中学校で夏期講習に通うメリットとデメリット、夏期講習で成果を出すためのポイントを解説します。本当に夏期講習だけで成果が出るのかも、あわせてみていきましょう。
目次(クリックで開閉)
・なぜ夏期講習が大切か
・夏期講習の費用相場
┗小学生
┗中学生
・夏期講習だけ塾に通えるのか?
・小学生・中学生が夏期講習だけ塾に通うメリット
┗普段とは違う環境になり刺激になる
┗夏休みの間に予習・復習ができる
┗志望校の入試情報を得られる
┗ライバルのレベルを把握できる
┗夏期講習だけ別の塾に通う場合は転塾の判断材料になる
・小学生・中学生が夏期講習だけ塾に通うデメリット
┗夏休みの負担が増えて学校の宿題との両立が大変になる
┗夏期講習だけでは弱点補強が不十分な場合がある
┗2学期以降は自力で勉強する必要がある
┗雰囲気が合わないと通いにくさを感じることがある
┗一時的にまとまったお金がかかる
・夏期講習だけ塾に通って成果を出すポイント
┗カリキュラムや授業形態があっているか判断する
┗目的を明確にしてから夏期講習を受講する
・夏期講習以降続けることも視野に入れて通う
なぜ夏期講習が大切か
夏期講習とは、学校が夏休みの間に学習塾で行われる夏の集中講義のことです。内容は塾や学年によって異なり、受講する際は慎重に検討しなければなりません。
共通しているのは夏休みで学校の授業が進まない状況を利用して集中的に勉強をするという点です。補習塾であれば今まで学習した範囲の総復習を、進学塾であれば予習を行うといたカリキュラムです。
また、受験生の場合は受験に向けた基礎固めや過去問演習など、受験を意識したカリキュラムを実施する塾もあります。中学受験を控えている小6や高校受験前の中3に対しては特定の学校に特化した専科の開講や合宿の実施なども行われます。
繰り返しになりますが、夏期講習の内容は塾や学年によって異なるため、受講前に内容をよく確認しなければなりません。復習に力を入れたいのに入塾してみたら予習ばかりだったとなっては本末転倒であるため、しっかりと比較するようにしましょう。
夏期講習の費用相場
夏期講習でもうひとつ比較したいのが費用です。集団塾か個別塾かなどの要素でかかる費用は異なります。集団塾の夏期講習の場合、次のような費用感となっています。なお、専科などの特別講座や合宿は含まないものとして、夏期講習だけの料金として見てください。
学年 | 費用相場 |
---|---|
小1~小3 | 1~2万円 |
小4 | 2~4万円 ※中学受験4~6万円 |
小5 | |
小6 | 2~4万円 ※中学受験6~8万円 |
中1 | 3~5万円 |
中2 | |
中3 | 4~8万円 |
小学生・中学生の学校区分で夏期講習の費用相場を詳しく見てみましょう。
小学生
小学生の場合は、補習目的で通わせる場合と中学受験で通わせる場合で大きく金額が異なります。小1~3年生までは補習用も受験用も同じ金額に設定されている塾が多いものの、小4から大きく異なる結果となりました。
復習中心のカリキュラムでは1~4万円、高くても5万円以内に収まるケースが多く見られます。一方の中学受験の場合は、補習目的の倍近くの金額が設定されている結果となりました。
大きな違いとしてはコマ数や難易度で、補習中心の授業よりも受験対策のほうがコマ数は多くなります。また、授業内容も専門的になって難しくなるため、結果的に夏期講習費用が増加するのです。ここに追加で合宿費用や特別コースの費用がかかってくるため、実質的な費用はさらに高くなると思っておきましょう。
中学生
中学生の場合は科目数で金額が変わるケースが多く見られます。中学生の場合は3教科か5教科で金額が変わることがほとんどで、多くの集団塾では中1・2では3教科を基本に、希望者は5教科で受講する方式を採用しているようです。
中3になるとほぼすべての塾が5教科での開講を基本としており、それにともなって夏期講習の費用も高くなります。難関校狙いの場合は表に記した費用とは別で特別コースの料金が設定されることも多いため、中学受験同様、相場プラスアルファの費用が発生すると思っておくようにしてください。
夏期講習だけ塾に通えるのか?
小学生・中学生に関わらず、夏期講習だけ塾に通うことはできます。普段通っている塾生と一緒に授業を受けることになりますが、夏期講習だけ受講して継続しないという選択も可能です。夏期講習終了間際に継続の意思を問われる場合もありますが、じっくり夏期講習を受けて2学期以降はどうするかを決めるといいでしょう。
このように夏休みの時期を利用して、普段はほかの塾に通っている生徒が夏期講習だけ別の塾に通うケースもあります。夏期講習の期間を利用して転塾を考えている場合が多く、こちらも塾生とは違う扱いとなるのです。
継続するか否かは夏期講習の中盤~終盤にかけて聞かれることがほとんどです。もし塾が気に入ればそのまま入塾してもいいでし、辞めてしまっても問題ありません。ただし、後述しますが、夏期講習だけで成果を出そうと思うと相当難しいことは頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。
小学生・中学生が夏期講習だけ塾に通うメリット
夏期講習に通う期間が夏休みだけの場合、次のようなメリットを享受できるかもしれません。
- 普段とは違う環境になり刺激になる
- 夏休みの間に予習・復習ができる
- 志望校の入試情報を集められる
- ライバルのレベルを把握できる
- 夏期講習だけ別の塾に通う場合は転塾の判断材料になる
それぞれ詳しく解説します。
普段とは違う環境になり刺激になる
普段塾に通っていない生徒だと、家や学校とは違う雰囲気が刺激になり、勉強しようという気持ちになれるかもしれません。実際、夏休み中に家にいてもだらけるだけだから、と言う理由で夏期講習を受講させる保護者も少なくないようです。
一人で勉強するのも悪いことではありませんが、周囲の頑張っている姿を見ると、それに刺激を受けて頑張ろうと感じる子どももいます。特に受験生以外の学年はなかなか勉強するきっかけができなかったのが、塾の夏期講習を受講することで勉強するようになるかもしれません。
また、夏期講習中は自習室が使える塾も多いため、普段家で勉強できない子どもにとっては良い環境ともいえるでしょう。
夏休みの間に予習・復習ができる
夏休みは学校の授業が進まないため、苦手科目の総復習や2学期の予習などに時間を使える貴重な機会です。学校の授業に追いつくだけで必死な人も、時間があるため苦手科目の克服に多くの時間を使えるでしょう。自習室に講師が常駐している環境であれば質問もできるため、苦手克服により早く近づけるかもしれません。
また、2学期の予習を進めることもできます。主に進学塾や受験生の場合は一部、予習中心のカリキュラムになることが多く、秋~冬ごろに過去問に取り組めるような授業スケジュールになっている場合が多いです。2学期が始まったときにクラスメイトやライバルと差をつけたいと思うのであれば、夏期講習は非常に効果が高いと言えるでしょう。
志望校の入試情報を得られる
夏期講習の時点で過去問に取り組んでいる塾はあまりありません。しかし、普段学校の先生からしか入試情報を得ていない人には、情報収集の機会として塾を活用するのもひとつの方法です。
当然ですが、塾の先生は周辺の学校の進学情報について知識を持っています。学校の先生ではわからないような情報を持っていることも多いため、夏期講習の機会を利用して、志望校の情報を集めることもできるでしょう。
塾によっては夏期講習の中盤~終盤の継続希望調査の際に、今のレベルと実際に必要な学力の差を教えてくれることもあります。必要な対策まで教えてくれることもあるため、夏期講習で塾を使わなければある意味損と言えるでしょう。
ライバルのレベルを把握できる
普段学校で会話をしている友達と受験や志望校について話す機会はあっても、実際に差がどれぐらいあるのかを把握するのは困難です。夏期講習中には小テストやまとめテストのような学力を測るテストが行われることがあり、その結果を知ることでライバルのレベルを把握できるのも夏期講習のメリットと言えます。
夏期講習だけ別の塾に通う場合は転塾の判断材料になる
既に別の塾に通っている、夏期講習だけ別の塾で受講する場合、2学期以降転塾するかどうかを考えられる判断材料になります。今の塾に不満がある、不満とまではいかないまでもっといい塾を探しているというのであれば、夏期講習は絶好の機会かもしれません。
普段の体験授業数回で判断するよりは検討できる材料が集めやすいため非常に有効な方法です。もちろん夏期講習だけと決めて受講するのもひとつの方法ですが、転塾の可能性があるなら「将来的に通うなら」という視点でいろいろと比較してみるといいでしょう。
小学生・中学生が夏期講習だけ塾に通うデメリット
メリットが多い塾の夏期講習ですが、反面、覚えておきたいデメリットもあります。すべての人に当てはまるわけではありませんが、代表的なものだと次の5つです。
- 夏休み中の負担が増えて学校の宿題との両立が大変になる
- 夏期講習だけでは弱点補強が不十分な場合がある
- 2学期以降は自力で勉強する必要がある
- 雰囲気が合わないと通いにくさを感じることがある
- 一時的にまとまったお金がかかる
なぜ上記の5つがデメリットとなるのか、詳しく解説します。
夏休みの負担が増えて学校の宿題との両立が大変になる
夏期講習中は、半ば無理やりにでも勉強する環境が整います。しかし、夏休みということを前提に学校の宿題も十分あると思います。この2つを両立できるのであれば問題ありませんが、夏期講習から塾に通う場合はそもそも塾と学校の両立に慣れていないため、慣れるまでは大変に感じるかもしれません。
また、部活動がある中1・2や、別で習い事をしている小学生も両立が大変と感じる場合もあるでしょう。夏休み中は大きな大会やコンクールが設定されていることもあるため、夏期講習との両立でへとへとになってしまう人も少なくありません。
塾も十分に考慮していますが、スケジュール管理を徹底し、学校や習い事などと塾の両立ができるように調整することが重要です。
夏期講習だけでは弱点補強が不十分な場合がある
復習を中心とする夏期講習であっても、弱点の補強が不十分なまま終わってしまう可能性があります。総復習しているといっても、自分が苦手にしている個所ばかり対応してもらえるわけではありません。結果的に少し苦手が解消されたとしても、万全な状態に持っていけない可能性もあるのです。
対処法としては自習室をうまく活用することです。集団塾の場合はどうしても全体のレベルに合わせてカリキュラムを進めなければならないため、個人の努力が必要になります。自習室を活用してわからないところを教師に質問できる塾を利用し、自力で苦手克服をする意識も忘れてはいけません。
2学期以降は自力で勉強する必要がある
もし夏期講習だけ塾に通うのが前提である場合、2学期以降は自力で勉強しなければなりません。塾に通うことになれば継続して勉強する環境が整いますが、夏期講習だけ受講することになれば後は自力でどうにかするしか方法がなくなります。
2学期が始まった当初は夏期講習で学んだ分の貯金で学校の授業にも追いついていけるでしょう。しかし、そのまま怠けてしまうとあっという間についていけなくなってしまうことを理解しておく必要があります。
夏期講習以降も塾に継続して通えるのがベストですが、何かしらの事情で継続できない場合は夏期講習後の学習習慣を自分で身につけなければなりません。
雰囲気が合わないと通いにくさを感じることがある
ひと口に塾と言ってもその種類はさまざまで、教育方針やカリキュラムだけではなく、雰囲気も異なります。ピタッとはまれば通いにくさを感じることはありませんが、もし雰囲気が合わないと、夏期講習の短期間でも通いにくさを感じるかもしれません。
例えば子どもは真面目に勉強したいと思っているのに、塾の雰囲気は「楽しく元気に」という感じでは通いにくさを感じてしまっても無理はないでしょう。夏期講習前に体験入塾ができるのであればそれで判断してもいいでしょうし、周囲の友人や口コミサイトを参考にするのもありです。雰囲気が合わず塾に通いにくいとならないよう、事前に情報を集めておくことをおすすめします。
一時的にまとまったお金がかかる
夏期講習は普段の塾の授業とは異なるカリキュラムが組まれており、料金も別となっている場合がほとんどです。相場も通常のタイミングで通うよりも高めに設定されていることが多いため、受講する場合はまとまったお金が必要になります。
夏期講習の費用は、説明会や資料請求でもらえる料金表などで詳細な金額が伝えられることがほとんどです。夏期講習に通わせる前に一度確認してください。
夏期講習だけ塾に通って成果を出すポイント
夏期講習だけで成果を出すのはかなり難しく、基本的には2学期以降も塾に通って成果につながる場合がほとんどです。しかし、中には夏期講習しか受講できない場合もあるでしょう。少しでも夏期講習だけの受講で成果を出すためには、塾選びの段階で次のことを意識しておくと良いかもしれません。
- カリキュラムや授業形態があっているか判断する
- 目的を明確にしてから夏期講習を受講する
カリキュラムや授業形態があっているか判断する
復習中心型と予習中心型・受験型でカリキュラムが異なるのはもちろん、集団塾が適切なのか個別指導塾が良いのかも同時に判断してください。授業形態が子どもの学力や特性に合っていないと夏期講習を苦痛に感じてしまい、思ったような成果が出ない可能性もあるのです。
夏期講習前に体験授業を受けられると良いかもしれませんが、実施していない塾もあります。友人からの口コミやインターネットの情報を基にしつつ、一度は塾の説明を聞きに面談をお願いするといいでしょう。総合的に見て合っていると判断できてから受講の申し込みをしてください。
目的を明確にしてから夏期講習を受講する
ただ漠然と夏期講習を受けても、思ったような成果は出ません。夏期講習に限らず、通常の塾に入るとしても同じことが言えます。
塾に通うにはお金がかかります。目的が明確でないまま塾に通っても頑張る原動力がないため、思ったような成果にはつながりにくいでしょう。受講前にはどんな目的を達成したいのか、そのために夏期講習をどう使うのかを検討しましょう。
夏期講習以降続けることも視野に入れて通う
夏期講習はあくまでも夏休みに実施される集中講義です。夏期講習だけで成果を出すのは不可能ではありませんが、現実的に難しいと考えたほうがいいでしょう。
ベストなのは、夏期講習をきっかけにその塾に通うことです。体験授業だけでは判断できないという人も、まとまった時間のやりくりは必要ですが判断できるようになります。
夏期講習終了後も継続することで、塾の先生が子どもの学力を把握できたまま2学期を迎えられます。塾とのやり取りが増えると入試に向けた動きや弱点がより明確になるため、夏期講習だけで終わらせず、継続して通うほうが辞めてしまうよりもメリットが大きいと考えたほうがいいでしょう。
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