数学が苦手で勉強方法がわからないという声をよく耳にします。数学は英語や国語とともに高校受験の必須科目であるため、苦手意識を払拭したい人は多いでしょう。
数学が苦手な子も正しい学習方法を実践することで苦手を克服し、定期テストの点数や成績アップを狙うことが可能です。さらに、学習のコツをつかめば、効率的に理解を深めることもできます。
本記事では、数学の苦手意識を克服するために、数学の勉強法の基本、問題が解きやすくなるコツを紹介します。
中学数学の勉強法の基本
数学は、算数と比べて難易度が上がり、算数が得意だった人でも数学が苦手科目になってしまうことも少なくありません。その大きな理由は、日常生活では目にしない抽象的な文字や記号を使い始めること、正解だけでなく、そこにたどり着くまでの過程を重視することです。
2019年‗国際数学・理科教育動向調査(https://www.mext.go.jp/content/20201208-mxt_chousa02-100002206-1.pdf)では、算数や数学の勉強が楽しいと答えた小学生は8割近いのに対し、中学生は6割を下回っています。しかも、中学生の半数近くが数学に苦手意識を持っていることが分かります。
数学に対する苦手意識を和らげ、効率的に理解するためには、まず、中学数学の勉強法の基本を押さえることが大切です。
勉強法のポイントについて詳しく解説します。
数学の勉強法におけるポイント
数学の勉強は、わからない問題や苦手な単元を明確にし、自分がどこまで理解しているのかを確認することが大切です。
例えば、中学数学で最初につまずきやすいのは、負の数や「x」「y」「a」「b」といった文字を使った式です。算数では、具体的にイメージさせるために物や数字を使います。しかし、中学数学はマイナスが付いた数字やアルファベットが表れたとたんに抽象的になり、難しい計算だと感じやすくなります。
そして、中1で最初に学習する正負の数や文字式で苦手意識を持ってしまうと、続いて学ぶ一次方程式や一次関数ではより理解が難しくなってしまいます。
そのようにならないためにも、以下のように理解しやすい方法を覚えておきましょう。
例、「正負の数」「文字式」
・文字には仮の数字をあてはめて考えてみる
・分数や小数を整数にして計算してみる
・負の数が式の左右に移動(移項)したときの符号の変化を覚える
中学数学では問題文が抽象化し、問題の意図を読み解くのが難しいと感じる人も多いです。また、証明の問題では、仮定から結論までの道のりについて、根拠をもとに文章で伝える力も必要です。そのため、繰り返し解きながら問題の理解を深めることにプラスして、論理的思考力を育てることも重要になります。
数学は、問題と解説を見て解き方を「理解する」だけでなく、自分の力で「解ける」ことが求められます。そのためにも、「できる」ようになるまで問題演習を繰り返しましょう。
基礎固めは数学力アップの要
数学は小学校からの積み重ね教科です。小学校での「たし算・ひき算・かけ算・わり算」に加え、「面積・体積・角度」や「速さ・時間」などの理解をもとに、中学数学は進められます。
中学1年生では、正負の数を踏まえて文字式を学習・理解したうえで方程式や関数を学び、面積や体積の求め方もより複雑になります。その後は、中学2年生で連立方程式を、中学3年生では二次方程式と積み重ねていき、徐々に難易度が上がっていくのです。
よって、前に学習したことを理解できていなければ学習についていけず、分からない問題が増えて苦手を後押ししてしまいます。数学力のアップには、理解度をひとつずつ確認し、わからない単元は立ち戻りながら基礎を固めることが大切です。
公式を覚える上でのテクニック
中学生の数学で習う公式は文字や記号を使うものがほとんどです。記号の意味を覚えるとともに、文字を使った計算の仕方も覚えなければ答えを導き出せません。
公式を使った計算方法を覚えていても、いざ問題を解く時に使う公式がわからなければ計算を進めることができません。例題レベルの問題であれば公式の丸暗記で解けることもありますが、応用問題では問題文からどの公式を使うかを読み取り、理解して計算をすることが求められます。
公式はただ単に覚えるのではなく、公式を導き出す過程を考え、なぜその公式が成り立つのかを理解することが大切です。
定期テスト対策にも!教科書や問題集を使った勉強法3ステップ
中学数学への苦手意識を克服して効率的に数学力を身に付けるために、以下の3ステップで勉強を進めましょう。
【ステップ1】教科書を活用
【ステップ2】学校のワークで演習
【ステップ3】反復学習をする
定期テスト対策にもなる教科書や問題集を使った勉強法を解説します。
【ステップ1】教科書を活用
得意ではない教科だからこそ、難しい問題から手を付けるのではなく、理解できる問題から解き始めることが大切です。
教科書には単元の最初に必ず例題が記載されています。まずは例題レベルの基礎問題からスタートし、解き方を理解したうえで練習問題へ進みます。ひとつ理解できたら次の問題に進むことを繰り返していきましょう。
教科書を読んで例題を解いても分からない場合は、前の単元の理解が浅い可能性があります。遠回りに思えても、関連する単元に戻って復習することが大切です。このように丁寧な積み重ねが定期テストの点数をアップさせることにつながります。
【ステップ2】学校のワークで演習
教科書の例題や基本問題が理解出来たら、定着に向けて本格的に問題を解く演習を始めます。中学校で配布されているワークは、内容や難易度ともに演習に適した問題集です。
後日、苦手な問題を明確にして解き直しをするためにも、次のように工夫して取り組みましょう。
- ワークには直接書き込まずノートに回答を記載する
- 分からない・間違えた問題には印を付けておく
- 解き方に不安があるものも印を付けておく
ワークは3周以上繰り返し解くことを目標にして、「苦手な問題」を「解ける問題」にしていきましょう。定期テストでは試験範囲の教科書やワークから問題が出題されるケースが多いため、定期テスト対策や成績アップにも有効です。
【ステップ3】反復学習がカギ!毎日の習慣に
算数のたし算・ひき算・かけ算・わり算の筆算を感覚的に解ける子が多いのは、数百問という問題を繰り返し書いて解いているからです。このように、書いて訓練したものは頭とともに手が覚えることで、考える前に手が動いて解けるようになります。
数学も同様です。得意になるには、問題を何度も解く反復学習を習慣にしましょう。「1日5分」「1回5問」といった短い勉強時間で構いません。毎日数学の問題に触れることで解法が頭に定着しやすくなります。
また、計算問題は繰り返し練習して慣れることで計算力が身につき、計算ミスを防ぐことにもつながります。解ける問題が増えてきたら、少しずつ問題の難易度を上げていきましょう。
教科書を見なくても問題を解けることはもちろん、よく出る問題・間違った問題・応用問題は数字や言い回しが変わっても対応できるレベルを目指すことが大切です。人に説明ができるまで完璧に理解できる頃には、苦手を克服することができます。
数学の問題が解きやすくなるコツ
コツをつかんで教科書や問題集、参考書を使って勉強をすると、効率的に数学の理解を深めることができます。
数学が解きやすくなるコツは以下の3つです。
- 条件を「見える化」する
- 解答プロセスを書いて整理する
- 分からない問題は質問する
答えを導き出す手助けとなるコツを取り入れながら、演習を進めてみましょう。
条件の「見える化」で問題をわかりやすく
脳は文字よりも画像の方が理解・記憶しやすいと言われています。単に問題を読んで解くだけでなく、図やグラフ・式を目に見える形にすることで頭にイメージが残りやすくなるのです。図やグラフの問題は、値を書き込んだり補助線を引いたりすることで答えを導きやすくなります。
例えば、比例や反比例のグラフは式から求められる値とグラフを合わせて見ることで、グラフの表す意味がわかりやすくなります。「速さ・距離・時間」の計算式は、問題文を図に表すことで頭が整理され、公式の意味を理解しやすくなります。
普段から図やグラフ・表をノートにできるだけ大きく見やすく描きましょう。さらに、問題文から得られた情報を追記して整理し、問題をわかりやすくする「見える化」がポイントです。
条件や計算プロセスは書いて整理する
数学の計算ミスは、ほとんどが途中式の省略によるものが原因です。繰り上がりや繰り下がりを頭の中だけで計算し、途中式を書かないことがミスにつながります。途中式を書いておけば、見直しでミスに気付いた時に計算し直す時間も短縮できます。
問題の解き方を頭に定着させて、計算ミスを減らすために、条件や計算プロセスは書いて整理することを習慣にしましょう。
さらに、書きながら条件をまとめることで、頭の中で考えているだけでは見つからないことに気付くことができ、答えへの糸口がつかめます。苦手意識があると「分からない」と思ってしまった瞬間に解くことをやめてしまいがちです。問題文を読んだだけでは理解できない時は、見つけた条件や考えられる計算式を積極的に書き出すことで、答えに近づくことができます。
わからないことは親や先生に聞くのも大切
数学の問題は考えて答えにたどり着くことで知識が定着するため、ある程度は自力で考える時間も大切です。しかし、時間をかけすぎることはおすすめしません。自力で考えてもわからない問題は、人に聞くことでスッキリと理解できることがあります。
考える時間は「5分」「10分」などと設定し、どうしてもひとりで理解できない場合は人に質問することをルールにすれば、効率的に勉強を進められます。
学校の先生・塾の先生・親など、質問に答えてくれる相手に手を借りることが、数学が解きやすくなる近道になります。
集団塾や個別指導塾の活用法
苦手を効率的に克服するためには、集団塾や個別指導塾での勉強を考えてみるのもいいでしょう。
高校受験の準備を始める時期は、早ければ早いほど有利といわれていて、進学校を狙う場合は中2になる前から塾に通う子も少なくありません。中3になり部活を引退した後から本格的に受験勉強を始める場合も、入試本番までの短期間で志望校に合格できるレベルまで効率的に学力をアップさせる必要があります。
集団塾・個別指導塾それぞれが学習に与える影響、自分に合った塾の選び方を参考にして、苦手克服や受験対策のためにぜひ役立ててください。
集団塾や個別指導塾が学習に与える影響
集団塾や個別指導塾には、以下のように独学では得られない利点があります。
- 学習の習慣がつく
- 苦手克服や効率的に学力を伸ばすためのアドバイスが受けられる
- 勉強へのモチベーションを高められる
- 受験や高校の情報を入手しやすい
- 同じ境遇の生徒と気持ちを分かち合える
集団塾や個別指導塾の大きなメリットは、学習習慣がつくことです。「家での勉強は宿題のみ」「勉強時間が短い」という場合も、塾では一定の時間を必ず勉強に充てるため、学習習慣を身に付けられます。
また、苦手科目を放置して授業を受けていると、だんだんと先生の言っていることが分からなくなり、授業についていけなくなります。遅れを取り返すための苦労を最小限にするためにも、苦手科目がある人こそ早めの対応が重要です。プロの手を借り、学習計画のアドバイスを受けることがその後の学習の効率化につながります。
自己学習では受験に向けての成績アップや、勉強のペース配分が難しいこともあります。高校受験は傾向分析とそれに合わせた対策が必須です。塾で受験や進学についての情報を得て、志望校の過去問をもとに出題傾向に沿った勉強の進め方ができることは、高校合格の可能性を広げる手助けになります。
集団塾では、同じ目標を持つ生徒の中で刺激を受けながら学習へのモチベーションを高め、高校入試へのストレス緩和も期待できます。
通塾には費用がかかりますが、自力で勉強が難しい子は、塾に通うことを苦手克服のきっかけにするのもおすすめです。
集団塾や個別指導塾の選び方
集団塾は1つの教室に複数の生徒を集めて教師が授業をする塾を指し、個別指導塾は生徒1~3人に対して教師1人が対応する塾のことをいいます。
ひとりだと集中力が続かない人や、同じ目標を持った友達に刺激を受けながら勉強をしたい場合は、集団塾が向いているでしょう。大人数の前では発言をしにくい人や、自分のペースで勉強を進めたい場合は、個別指導塾が向いていると言われています。
費用は個別指導塾よりも集団塾の方が割安の傾向があります。
しかし、集団塾でも無料の個別指導や自習室があったり、教師が数人で授業をおこなったり、塾ごとに特徴が異なります。無料体験授業を受けられる塾も多くあるため、指導形態とともに、自分に合った塾を選ぶことが大切です。
集団塾・個別指導塾の費用やメリットについて、より詳しく知りたい方は、「集団塾・個別指導塾を徹底比較!費用やメリットを知って塾選びをしよう」を参考にしてください。
W早稲田ゼミについて
W早稲田ゼミは埼玉・群馬・栃木県で小学校2年生~高校3年生までを対象にした学習塾・予備校です。全校で約50校舎を展開しています。
どんな生徒にも「わかる」「楽しい」「成績UP」「志望校合格」につながるよう、厳しい研修を受けた教師が授業を行っています。中でも算数と数学の授業は教師とアシスタント講師の3名体制で実施(※)。3人の指導者が教室を回り、一人ひとりの質問に答える形式で、きめ細やかな個別指導で、取り残される子を一人も出しません。また、各授業のワセダオリジナル学習方法「ワセダ式」は、効率的に必ず苦手克服、定期テスト対策、入試対策につながると評判です。
自習室では教師が質問を受け付けており、サポート体制も万全です。また、生徒一人あたりの無料補習時間は、年間平均120時間(※)。教師が必要と判断した時、生徒から要望がある時、できるまで、わかるまで、何時間でも無料で補習を組むのが魅力です。無料体験授業、学習相談も受け付けております。学習にお困りの場合は、お問い合わせください。
※一部サービスは、小中学部のみ