予習と復習が大切さを、学校や塾、家族から言われたことがある人もいるでしょう。小学生・中学生・高校生に関わらず、良い成績を取りたいのであれば、予習も復習も欠かすことはできません。しかし、どんな方法で予習・復習するのが有効な方法なのかわからない人がいるのも事実です。
本記事では、予習・復習の意味とそれぞれのメリット、教科別の学習内容を踏まえて予習・復習のやり方について解説します。
目次(クリックで開閉)
予習復習をする意味
予習はその日に受ける授業の内容をより深く理解するために、復習は、学校で習った内容の定着度を高めるために大切なものです。つまり、どちらも成績を上げるためには欠かせない勉強法と言えます。
予習と復習は、どちらが欠けても成績アップには結び付きにくいものです。両方合わせて一つと考えて実践してください。とはいえ、それぞれやり方は違うため、同じやり方で取り組まないよう注意が必要です。
予習をする4つのメリット
予習をするメリットは、授業の内容を理解しやすくするだけではありません。具体的には次の4つのメリットがあります。
- 授業に集中しやすくなる
- 「わからない」「難しい」を事前に減らせる
- 授業中に発言や挙手ができるようになる
- 授業での理解が深まり復習時間を短縮できる
コツを含めて、それぞれ詳しく解説します。
授業に集中しやすくなる
予習を事前にしておくことで、していない時よりも授業に集中しやすくなります。聞き取りそびれたり、理解が追い付かなかったりといった状況を減らすことができるため、板書以外の先生の話に集中して耳を傾けられるようになるでしょう。基本的なことはわかっている状態であるため、授業全体に集中して取り組めるようになります。
ただし、予習をしているからと言ってノートを取らないのはNGです。予習はあくまでも自力でやったものであるため、本当に理解できているかは授業を受けて見なければわかりません。予習をした内容が本当に合っているのかを確認しながら授業を受けてください。
「わからない」「難しい」を事前に減らせる
予習をしておくことでわからないところや難しいと感じるポイント、理解が正しいか怪しいポイントを事前に確認できます。勉強が苦手になってしまう最大の理由は、授業内容が理解できずについていけなくなるためです。予習をして事前に授業内容を知っておけば、100%理解できていなかったとしても完全に理解できないという状況は回避できるでしょう。
特にまったく新しい単元に入る教科では、予習の効果を実感しやすいと言われています。予習に手間と時間がかかってしまうのは事実ですが、テスト前に慌ててやり直さなくてもよくなるため、可能な範囲で予習することをおすすめします。
授業中に発言や挙手ができるようになる
事前に授業の内容をある程度理解できている状態になるため、授業中に発言や挙手できる機会が増えるでしょう。新しい単元を学んだその場で発言を求められても、なかなか自信をもって答えらえません。質問されても堂々と発言できると、授業に自信がついて勉強そのものが楽しくなるかもしれません。
また、挙手も積極的にできるようになる可能性が高くなります。先生からも、授業に対して積極的に参加していると判断されるため、成績が付きやすくなるでしょう。新しい内容を授業で学んだ際は、解答が間違っていても問題ありません。しかし、正解できた方が自信につながりやすいため、ぜひ予習しておきましょう。
授業での理解が深まり復習時間を短縮できる
予習をしておくことで授業の理解度が向上し、集中してポイントに耳を傾けられるようになります。要点を押さえて授業を受けることで、授業の時間で理解度が深まり、復習に掛ける時間を短縮できるようになるでしょう。
確保できた復習の時間で、問題演習に取り組むなどのプラスアルファの勉強ができるようになります。予習に時間がかけられないという人は、休み時間に教科書に目を通してわからないところをチェックしておくだけでも良いでしょう。勉強内容の定着を促進するのに非常に有効です。
復習をする2つのメリット
復習に取り組むことによって得られる主なメリットは、次の2つです。
- 授業で学んだ知識の定着率が高くなる
- 授業でわからなかったところを補える
予習とワンセットで行うことが前提ですが、復習単体で得られるものも多くあります。ただし、事前にわからないことを洗い出してから授業に臨み、復習でわからなかった箇所が理解できているかを確認したほうが定着率は高くなります。それぞれ詳しく見てみましょう。
授業で学んだ知識の定着率が高くなる
復習の目的は、授業で学んだ内容の穴を埋めることです。言い換えれば、授業で新たに学んだ内容を再確認して理解するための時間となります。つまり、復習にきちんと取り組むことによって、今までよりも学んだ内容を深く理解できるようになるのです。
可能であれば、復習は授業を受けた当日のタイミングに行うのがベストです。授業の記憶がまだ新しいうちに復習することで、定着率が更に高くなります。また、人の脳は時間が経つと新しい情報を忘れてしまう特性があります。忘れてしまわないうちに復習してしっかりと脳に授業の内容を定着させるためにも、当日中の復習をしましょう。
授業でわからなかったところを補える
予習をしている前提の話ですが、予習の段階でわからなかったことを授業で理解し、その理解がちゃんと記憶に残っているかを確認できるのも復習のメリットです。予習では理解できることとできなかったことを大別したほうが効果は出ます。理解できなかった事柄に関しては授業を集中して聞いて理解するように努め、復習で理解できているかを確認すると、高いレベルで授業内容を自分のものにできるでしょう。こちらも授業を受けた当日中に復習するのがもっとも効果的です。
【教科別】予習の効率的なやり方
ひと口に予習・復習と言っても、教科ごとに効率的なやり方は異なります。それぞれのやり方を身に着けて取り組むことで、より効果の高い予習・復習になるでしょう。まずは予習の方法から解説します。
全教科に共通する予習のポイント
大前提として、予習に多くの時間を割く必要はありません。時間が確保できるのであれば①授業あたり30分、忙しい人は10分でもいいでしょう。予習の目的は、あくまでも理解できることとそうでないことをはっきりさせることにあるため、長時間予習に充てなくても大丈夫です。
また、後述しますが、復習のように専用のノートを作る必要はありません。作っても問題はありませんが、調べた用語の意味などは教科書に書き込むなどした方が、授業を聞きながら理解できるようになります。予習には、授業を理解するために簡単な確認をする程度の意識で臨みましょう。
国語の予習
国語の予習では、次に習う文章を読んでおき、わからない漢字やまだ学習していない単語の意味を調べておきましょう。電子辞書やスマートフォンの辞書を利用しても意味を調べても問題ありません。調べた単語の意味などは、教科書に書き込んでおくと授業中にも役に立ちます。
国語の場合は、本文に何が書かれているか理解しようとする必要はありません。あくまでもさらっと読んでみて内容がわかるかどうかが、国語の予習では重要です。
算数・数学の予習
算数と数学の予習は、どちらも方法は同じです。教科書に記載されている解説を見て、例題が解けるかどうかを確認してください。一見複雑な式に見えても、公式に当てはめてしまえば案外簡単に解けます。
どうしてもわからない問題については、教科書に「?」などのマークを付けておきましょう。授業中にマークを付けた箇所の解説を集中して聞くための目印になります。算数・数学は苦手な領域があるとすぐにつまずいてしまうため、例題を見て解けるかどうかを事前に確認しておくことは効果的です。
英語の予習
英語の予習は国語と似ていて、本文を読みつつわからない単語やイディオムの意味を調べておきましょう。加えて、もう1つやっておきたいのが音読です。音読は、可能であれば単語の意味を調べる前にやってみるのがベストです。意味が分からない単語があっても、前後の文脈から推測して読む練習になるため、長文読解に強くなります。
また、英語の場合は専用の予習ノートを作っても良いでしょう。教科書の英文をノート見開きの左側に、日本語訳を右側に書いていく方式です。時間はかかりますが、英文を書き写すだけでも理解の定着につながるため、英語の予習をする場合は予習ノートの作成をおすすめします。その際、分からない個所にアンダーラインを引いたり、授業中にメモを取れるように改行時に1行空けたりして予習ノートを作ることをお勧めします。
理科の予習
理科の予習は、算数・数学と同じく、教科書を読んで例題を解いてみる方法があります。数学よりも式が複雑なことが多いと思われがちですが、あてはめる数字やものがわかってしまえば、それほど難しいものではありません。解けなかった例題は「?」などのマークを付けるなど、やることはほぼ同じです。
加えて、理科には用語を覚えなければならない単元もあります。この場合は国語や英語と同じく、意味を調べてノートにメモをしておきましょう。また、実験の様子など、ビジュアルで覚えることがあるのも理科の予習で気を付けなければならない点です。予習の時点では詳しく調べる必要はありませんが、用語や実験風景などを見て、なんとなく内容が理解できるかどうかを確認しておきましょう。
社会の予習
社会の予習は、国語・英語、理科の暗記領域と同じように教科書を読んでわからない用語を調べるのが基本です。社会にも時差の計算や人口密度などの計算問題はありますが、それほど数は多くないため、時間をかけて計算式を予習する必要はないでしょう。
社会特有の予習のポイントは、グラフの読み取りや時系列の理解です。地理と公民には、農業生産物や人口のグラフが出題されます。歴史はグラフの出題自体は少ないものの、時系列を理解していないと解けない問題もあるため、どちらも予習の段階でなんとなく理解できるかどうかを確認しておきましょう。
【教科別】復習の効率的なやり方
続いて、復習の効率的なやり方を見ていきましょう。こちらも教科ごとに方法やポイントが少しずつ異なっているため、まずはやり方を理解するところからスタートです。
全教科に共通する復習のポイント
復習は予習とは異なり、専用のノートを作って取り組むようにしてください。教科ごとに復習の方法は異なりますが、基本的には授業を受けた当日の復習は全教科共通です。また、1週間程度期間を空けてから問題を解いてみること重要です。
復習の目的は、授業で学んだ内容をきちんと理解・定着できてるか確認することになります。復習を日々の学習習慣に入れ込んでおけば、テスト直前に焦ったり、受験勉強で基礎からやり直さなければならなかったりなどの事態に陥らずに済むでしょう。これらを踏まえて、各教科の復習方法を実践していってください。
国語の復習
国語の復習では、その日に学んだ部分を実際に自分で声に出し、引っ掛かりや理解しきれないところがないかを確認することが重要です。ところから始めましょう。
ポイントは、音読を繰り返し行うことです。小学校の間は宿題で出されることが多い音読ですが、スラスラ読めるようになっているかどうかを確認するには最適な方法です。もしわからない単語や、意味を理解しきれない言葉に出会った際は、復習ノートに単語の意味を調べて書いたり、文章を書き写して何が書かれているかを図解したりすると良いでしょう。
算数・数学の復習
算数・数学の復習は、復習ノートに教科書の問題を解くのと同時に、ワークを使って演習を行う方法を実践してください。類題の演習量が重要であるため、復習の時間を使ってきちんと演習するようにしましょう。もし解けない問題があった場合は一度教科書に立ち返り、公式の意味を再確認してから問題演習に取り組んでください。
ポイントは、同じ問題であっても繰り返し解いて完璧にすることです。一度解いた問題でも期間を空けるなどして繰り返し解いたほうが良いでしょう。挑戦した問題には正の字をつけて、何回解いたかがわかるようにしておくのがベストです。テスト前に見返した際に、最低でも5回は解いてあるとテスト直前に公式を見返したりする時間が少なくなります。
英語の復習
英語の復習も、国語と同じく音読を基本に行いましょう。わからない英単語やイディオムは、復習ノートに意味と一緒に書くだけではなく、単語帳を作って空き時間に覚えるようにする工夫も必要です。同時に、英文を読んだときに日本語訳が頭に思い浮かぶかどうかも確認してください。始めは難しく感じるかもしれませんが、慣れてくればスラスラ読めるようになります。
どうしても英文だけでは難しい場合は、横に日本語訳を置いて音読すると良いでしょう。最終的には日本語訳なしで暗唱できるまで読み込むのがベストです。定期テストだけではなく、初見の英文を読んで問題を解く必要がある入試問題にもすんなり対応できるようになります。
理科の復習
理科の復習は、計算が求められる単元と暗記中心の単元で復習のやり方が違います。
計算が求められる単元では、算数・数学と同様に学校のワークを使用します。ワークに載っている計算問題が解けるようになるまで、繰り返し問題を解いて練習しましょう。解いた問題には正の字を書くなどして取り組んだ回数をわかるようにしておき、こちらも最低5階は取り組むのがベストです。理科は数学以上に公式が複雑な場合も多いため、つまずいたらすぐ教科書や授業ノートに立ち返るクセもつけておくと良いでしょう。
暗記系の単元でも、学校のワークを使用します。この時、最初からワークに答えを書き込んでしまうのではなく、ワーク専用のノートを作って問題を解くようにするのが望ましいやり方です。書き込んでしまうと、復習のたびに書き込んだ箇所を隠さなければならなくなるため、非常に手間がかかります。テスト直前にワークに書き込むようにし、それまでは復習用のノートに解答するようにしてください。
社会の復習
社会の復習は、理科の暗記系の復習と同様、ワークを使った復習が効果的です。授業で書き写したノートを見ながら問題を埋めていき、最終的に自分の力で解けるようになっているかを確認するのがベストな流れです。
ポイントはわからない問題には時間をかけず、すぐに解答と解説を見に行くクセをつけることでしょう。暗記系の教科は、覚えているかいないかの二択であるため、思い出せない問題に時間をかけても解答を導き出せない場合がほとんどです。わからなければすぐに解答・解説に目をやって内容を理解し、2回目に解く際に解けるようにしておくと復習の時間も無駄になりにくいでしょう。
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