埼玉県の高校受験の仕組みを理解し、受験対策を計画的にしっかりと進めることで志望校合格がグッと近づきます。
県立高校入学の仕組み
埼玉県立高校の入試の大きな特徴は、1度のみ行われる学力検査で、学力検査と調査書の比率を変えて点数化し、合否を第1次選抜と第2次選抜の2度に分けて判定しています。 調査書の対策として重要な学校の定期テストや通知表は、中3になってからでは対策では遅いです。1、2年生のうちから積み上げていく必要があります。
選抜方法は主に、学力検査と調査書のそれぞれの得点を、学校ごとに決められた配点比率によって計算した総合得点で合否を決定します。学校によっては面接や実技検査などを行う場合もあります。
例1)令和5年度大宮高等学校(普通科)
学力検査:500点
調査書:360点
(学習の記録180点 1年:2年:3年=1:1:2 特別活動等の記録90点 その他90点)
面接:なし
第1次選抜 各資料の傾斜配点
①学力検査500点 ②調査書334点 ③面接なし
第2次選抜 各資料の傾斜配点
①学力検査500点 ②調査書215点 ③面接なし
例2)令和5年度大宮工業高等学校(機械科・電気科・建築科・電子機械科)
学力検査:500点
調査書:185点
(学習の記録135点 1年:2年:3年=1:1:1 特別活動等の記録25点 その他25点)
面接:100点
第1次選抜 各資料の傾斜配点
①学力検査500点 ②調査書440点 ③面接100点
第2次選抜 各資料の傾斜配点
①学力検査500点 ②調査書550点 ③面接100点
参考:埼玉県庁HPより(R5年度入学者選抜における各高等学校の選抜基準)
※最新版は、HPでご確認ください。
学力検査について
学力検査は、国語、社会、数学、理科及び英語の5教科で実施し、中学校学習指導要領に基づいて出題されます。英語にはリスニングテストが含まれます。
また、埼玉県では、数学と英語のみ学校独自の応用問題(※通称「学校選択問題」)を、出題できる仕組みがあります。但し、一部の難関校で実施されている応用問題といっても、中学生で学習する範囲を超えて出題されることはありませんので、基礎知識を身に付け、学習塾などの環境で応用問題に対応する学力を高めれば、臆することは決してありません。
「学校選択問題」を実施する公立高校は以下の22校です。
浦和高等学校
浦和第一女子高等学校
浦和西高等学校
大宮高等学校(普通科、理数科)
春日部高等学校
川口北高等学校
川越高等学校
川越女子高等学校
川越南高等学校
熊谷高等学校
熊谷女子高等学校
熊谷西高等学校
越ヶ谷高等学校
越谷北高等学校
所沢高等学校
所沢北高等学校
不動岡高等学校
和光国際高等学校
蕨高等学校
さいたま市立浦和高等学校
さいたま市立大宮北高等学校
川口市立高等学校
参考:埼玉県庁HPより(入学者選抜実施要項)
調査書について
調査書は、3年間の各学年の9教科の評定が利用されます。したがって、1年生のうちから高校受験を意識して、定期テストはしっかりと対策することが必要です。
調査書は次の3つで構成されます。
①学習の記録の得点
内申点のことで、各学年の9教科の成績を5段階評価した9×5=45点満点の評定合計を使用し、学校ごとに決められた各学年の比率で計算します。「1年:2年:3年=1:1:2」「1年:2年:3年=1:1:3」など、中3の成績を2倍や3倍にする学校が多いようです。
②特別活動等の記録の得点
学級活動、生徒会活動、部活動、学校行事などの実績や取り組みが記述され、各学校が決めた内容で点数化しています。
③その他の項目
校外活動、特技、検定などの資格、出欠状況などの記録から各学校が決めた項目を評価し点数化しています。
面接について
偏差値上位の高校ではあまり実施されませんが、実技検査を実施しない学科・コース等においては、学校によって実施されています。概ね、20〜80点の配点が一般的です。
実技検査について
次の学科・コース等の志願者は、実技検査が実施されます。
・ 芸術系学科(美術科、音楽科、書道科、映像芸術科及び舞台芸術科)の志願者
・ 体育科及び体育コースの志願者
・ スポーツサイエンス科の志願者
・ 県立伊奈学園総合高等学校のスポーツ科学系及び芸術系の志願者
外国語科・外国語コース等においては、英語による問答を内容とする実技検査を学校側が実施することができます。
私立高校受験の仕組み
私立入試の形態は大きく分けて呼び名は様々ですが、「単願」と「併願」があります。
「単願」は、私立高校が第一志望の場合に利用して受験することができます。併願で受験するより少し合格の目安が甘めになっていることもあります。ただ、合格したらその高校に進学しないといけないので、他の高校を受験することができません。
「併願」は、一番多く利用されている受験方法です。公立高校が押さえで私立高校を受験するという場合は、「併願」という方法を利用することが多いです。
事前相談について
併願受験をする場合、試験前の10月から12月頃に受験生と保護者の方が、私立高校の先生と直接相談して合否の可能性を確認することを「事前相談」と言います。この個別相談で高校の先生からこの成績をキープしていれば大丈夫ですよと、安心して受験してくださいというようなことが言われれば合否の可能性がグッと上がるような仕組みになっています。
個別相談にどのように参加するのかと言うと、いろんな学校が集まる地区合同の説明会もしくは、高校が個別に学校説明会や個別相談会というのを開催しているので、各高校のホームページで説明会や相談会の予約ができるか、夏から秋にかけて興味のある私立高校のホームページを忘れずチェックしてみてください。
事前相談で利用される有効な資料
中学校の通知表、会場模試の結果、それから英検®や漢検などの資格の証明書、そして部活動の成績など、それらをもとに私立高校の先生と相談をすることになります。
ここで注目しておきたいのが「会場模試の結果」です。基準を超えて偏差値が取れていれば高校の先生から後は安心して受験してくださいと言ってもらえますので、会場模試は中学3年生になったら早めに複数回受験して相談の目安をクリアすると良いでしょう。 そして、公立高校の対策過去問に時間を確保できるように計画的に会場模試受験していきましょう。もちろん学校の成績5段階の評定を使う学校もありますので、中には偏差値と学校の評定を同時にみる、そんな私立高校もありますので、私立高校は模試の偏差値だけではなくてということも併せて押さえておく必要があります。
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