「社会は暗記科目だから覚えたら点数が取れる」と思っていませんか。しかし、実際には暗記だけでは解けない問題があるのも事実です。暗記が多いのは事実ですが、効率的な勉強法を身に着けて、テストで点数を取れるようにしておく必要があるでしょう。
今回は、社会で点数が取れない原因や勉強法のコツ、分野別の具体的な勉強法を解説します。
社会の勉強法で点数が取れない3つの原因
社会のテストで点数が取れない原因は、主に以下の3つに集約されます。
- 暗記で解けると思い込んでいる
- 答え合わせに時間をかけていない
- 授業が聞くだけになっている
いずれも社会の間違った勉強法です。何がどのようにダメなのか、詳しく解説します。
暗記で解けると思い込んでいる
テストで社会の点数が取れない最大の原因が、暗記科目だと思い込んでいる点です。他の科目よりも覚えることが多く、暗記である程度点数が取れていた時期があったのも事実です。
しかし、2020年に学習指導要領が改定された結果、暗記だけではなく思考力や判断力を問う問題が出題されるようになりました。言い換えれば、暗記だけではなく、記述や資料の読み取りなど複合的に判断するような問題が増えています。
暗記についても、単に用語を覚えるのではなく、それぞれの特徴を理解したうえで覚えなければなりません。例えば、地理なら、なぜその国の気候にそんな特徴が見られるのか、歴史ならなぜその戦争が起こったのか、公民であれば制度の仕組みについてなどまで説明できて初めて理解ができてるといえるのです。つまり、単純な暗記だけでは点数が獲得できにくくなったと言えます。
これらの傾向は、入試だけではなく定期テストも同様です。暗記だけで点数が取れると思い込まないことが大切です。
答え合わせに時間をかけていない
社会のテストにおいて、答え合わせが流れ作業になっていると点数が伸びません。正誤を照らし合わせるだけなどは、社会で間違った答え合わせの方法です。
間違えた問題は、逆に言えば自分が点数を取るために必要な問題です。問題数をこなすことも必要ですが、答え合わせに時間をかけて、確実に得点につながるようにすべきです。また、間違った問題に対して、いきなり暗記しようとせずにまずは理解することから始めましょう。公民で出てくる「三権分立」を例に出すと、用語を暗記しただけでは、本当の意味で理解したとは言えません。三権分立がどのような仕組みなのか、語句中に含まれている「三権」とは何なのかを説明できるようになって初めて、内容を理解していると言えるでしょう。
同時に、選択問題や記述問題の場合、なぜその答えが正しくないのかを確認することが重要です。間違っている根拠を理解することで、ほかの問題でも応用が利くようになります。
授業が聞くだけになっている
授業は教科書だけではわからない物事や事件の流れを理解できる絶好のチャンスです。しかし、その授業を流し聞きするだけでは点数が上がらなくても当然です。暗記が多い科目である社会は特にその傾向があり、機械的にノートに写すだけに終わってしまい、結果的に点数アップにつながりません。
地理の授業を例にしてみると、特定の地域と農作物・産業に関係性がみられる場合があります。教科書や資料集でもそれらの内容を解説している場合はありますが、自分一人では理解できないケースも珍しくありません。学校の授業で先生が解説している内容をしっかりと理解し、その内容をメモすることで地理の深い理解につながります。
また、歴史において大切なのは、物事や事件を紐づけながらノートを取ることです。授業で取ったノートを見返した際に、内容を思い出せるようにするためにも、メモリーツリーなどを活用して覚えやすくしましょう。
社会の勉強法で点数が取れるようになるコツ
ただ覚えるだけでは解けない問題が増えている以上、頑張って暗記しても点数につながらないケースも珍しくありません。社会で点数が取れるようになる勉強法を3つ紹介します。
基礎知識や重要語句を暗記する
暗記だけでは高得点を取りにくくなっている社会ですが、他の科目と比較して覚えることが多いのは事実です。重要語句や出来事を覚えなければ解けない問題は多く、社会の土台となる部分でもあります。
また、思考力・判断力が問われる問題が増えたとして、知識は必須です。知識がなければ問題内容などを理解することができず、問題を解くことすらできません。解答できる・できない以前の問題として、知識を身に着けて全体像を理解できるように努めましょう。
図やグラフを読み取れるようにする
社会の問題には、貿易統計や地形図など、読み取りができなければ解答できない問題があります。読み取り問題は知識だけでは解けないため、示されている図やグラフから何を読み取ればいいかを判断できるようにしましょう。
そのために、積極的に多くの問題を解いていく中で、必要な知識を組み合わせて資料を読み取り、正確な解答ができるようにしてください。
教科書と問題集を組み合わせて勉強する
教科書だけで勉強するのもありですが、効率的にはあまり良くありません。教科書に準拠しているワークや問題集を並行して使用し、教科書を使って覚えた内容を確認するようにしましょう。
また、問題集を通じて記述式の問題にも挑戦することをおすすめします。先述の通り、社会の問題の中にも記述形式で解答する問題が増えています。定期テストだけではなく入試でも問われるため、日ごろの勉強から記述問題を取り込んでおくようにしてください。
【分野別】効率的な社会の勉強法
社会は地理・歴史・公民の3の分野に分かれます。それぞれ共通してできる方法もあれば、分野ごとに異なる勉強法もあります。効率的に点数を上げるためにも、それぞれの分野の勉強法を留意しましょう。
地理の勉強法
地理は用語よりも読み取りで解答する問題が多く、資料やグラフ、図の読み方を理解しておくことが重要です。一見すると難しそうな分野ですが、パターン化された問題も多いため出題形式を理解してしまえば得点につなげられる可能性が高い分野です。
問題集を完璧にする
先述した通り、地理は残る2つの分野よりも問題数をこなすことでそのパターンを理解することができます。そのため、問題集1冊を完璧に仕上げてしまえば、ある程度の得点につながる可能性が高いでしょう。
また、可能であれば2冊問題集をマスターしておくのもおすすめです。特に資料の読み取りは数をこなして問題の出題傾向を理解しておくことが重要です。1冊目は学校から配布されているワークを、2冊目は市販の資料の読み取り問題が多いものを選ぶと効果が期待できます。
この時、地図帳を近くに用意して勉強するのも有効です。特定の地名や川・山の名前が出てきたら調べていくことで、関連した語句や地域の特徴を覚えられます。問題集にある情報だけで解くのではなく、関連した知識も一緒に身に着けることが重要です。
グラフや地形図などの読み取り方を身に着ける
地理が苦手という人は、特にグラフや地形図などの読み取りに対して苦手意識を持っている場合が多いようです。これらは関連する知識を身に着けたうえで、読み取り方を理解すれば得点源となりうる問題です。知識面に不安を抱えていない人は、重点的にグラフ問題などの訓練をしましょう。
また、それぞれの地域の特徴を理解するため、資料集やインターネットを活用したイメージ作りも有効です。例えば地図記号や地形図の問題が出題された際に、ただ紙面で情報を読み解くよりも、写真などの映像で理解できていた方が読み取りやすくなるでしょう。地形図などと照らし合わせる必要はありますが、映像でイメージができるだけでも正答率がグッと高くなるはずです。
地理には読み取り問題以外にも、時差を計算する問題も出題されます。コツをつかんでしまえば日付変更線をまたぐ問題でも難なく解答できるようになるでしょう。「難しそうだから」という理由だけで避けず、解けるように対策しておくことが重要です。
地域の特徴と産業・人口の関係を捉える
地理の問題で難しいとされているのが、地域の特徴と産業や暮らしている人の特徴・文化を把握することです。特にアジアやヨーロッパなどの馴染みが薄い海外の状況については、苦手としている人も多いと言われています。グラフや地図を理解しているだけではなく、地域の特徴と産業・人口の関係は必ず頭の中に入れておきましょう。
例えば、アメリカ大陸ではトウモロコシの生産が盛んな地域と小麦の生産が盛んな地域があります。この2つの地域には気候・地形における違いが明確に存在しており、それらを知っておくことでテストや入試の際に解答に困ることが少なくなります。
日本の地理でも同様の勉強法がおすすめです。山に囲まれた甲信越地方では水はけの良い土地が多く農産物の生産が盛んであることや、広大な敷地を使った北海道の酪農があることなどを覚えるようにしましょう。ただ単に単語として覚えるのではなく、関連付けて覚えることがもっとも重要です。
歴史の勉強法
歴史は地理や公民よりも覚える単語が多いだけではなく、流れがある分野でもあります。単語だけ理解しても、関連する言葉や出来事も同時に理解しなければ、歴史の分野で得点に結びつけるのは難しいかもしれません。
時系列・メモリーツリーを書く
メモリーツリーとは、ひとつの出来事や事件に関連する単語や人物名をタグ付けして覚える方法です。歴史は単体で問われる単語は少なく、ほぼ必ず何かの出来事や事件と結びついています。そのため、メモリーツリーを書いて関係性を整理しておくと、効率的に覚えることができるでしょう。
例えば「鎌倉幕府」という用語が出てきた際に、関連して「征夷大将軍」「御家人」「源頼朝」などの用語をつなぎます。こうすると連想ゲームのように用語を暗記できます。メモリーツリーと一緒に取り組みたいのが時系列です。大まかな流れを理解するためには、時系列に整理してどこに何があるのかを視覚的に覚えるのも効率的な勉強法と言えます。ストーリーとして覚えるようにすれば、歴史の勉強が楽しくなるかもしれません。
語句とその意味を関連付けて覚えるようにする
時系列やメモリーツリーのやり方と似ていますが、ひとつの語句に関連する政策や人物名をノートにまとめるようにしましょう。特にややこしいのが制度や法律で、制定された背景や内容を箇条書きでまとめておくのがベストです。
時代背景や目的、その結果まで覚えておくと、記述問題にも対応できるようになるでしょう。メモリーツリーに書き足す方法もありますが、ごちゃごちゃして見にくくなってしまう可能性があるため、別でまとめることをおすすめします。
併せて、重要な出来事や事件は西暦も覚えるようにしましょう。例えば794年の平安京遷都については「な(7)く(9)よ(4)ウグイス平安京」というような覚え方があります。語呂合わせには多くの覚え方があるため、自分が覚えやすい語呂合わせを取り入れるといいでしょう。
近現代においては公民の知識として暗記する領域もある
第2次世界大戦以降の歴史の中には、のちに勉強する公民に通じる制度や人物が多く登場します。現代では廃止されている制度や法律などもありますが、近現代以降の歴史の用語については公民と同じく成立の背景や内容も同時に理解するようにしてください。
近現代における普通選挙は、それまでの普通選挙法の内容とは異なるものが施行されました。ではその背景には何があったのか、旧普通選挙法との違いは何なのかを理解することで、歴史と公民の両方で役立つ知識として覚えることができるでしょう。似たような用語は数多く存在するため、ぜひ実践してみてください。
また、近現代は制度や人物などの用語が大きく増加します。歴史の後半で学習する内容なだけに暗記は大変かもしれませんが、テストや入試でもほぼ必ず問われる領域のため、1つひとつ丁寧に理解するように努めましょう。
公民の勉強法
公民は、似ている語句が多く存在することと、資料問題が他の2つの分野よりも多いのが特徴です。また、中学生の場合、公民の授業がすべて終わり切らないまま入試に突入するケースもあります。これらを踏まえて、公民の勉強法を見てみましょう。
用語の意味や内容を押さえる
公民は入試までに授業の回数が少なく詰め込みになりがちな点から、ゆっくり時間をかけた勉強が現実的ではありません。公民は授業があったその日に用語を説明できるようにし、覚えるようにしていくのが得策です。
また、歴史と同じように用語の制度や事件が出てきた背景や詳細も理解するよう努めましょう。時事問題と結びつけて出題される可能性もあるため、日ごろからニュースなどに目を通して学習した単語と結びつけるようにするといいかもしれません。
資料の読み取り方をマスターする
公民でも資料の読み取りの問題があります。主に経済や人口などにまつわる統計が出てきますが、その際に資料が読み解けるようになる訓練は必須です。地理と同じように資料の読み方や資料を読み解くうえで必要な知識を身に着け、問題演習に取り組みましょう。
注意点として、公民は最新の情報などが資料として出題される可能性があります。ニュースなどに目を通しておくことで一定の対策になるため、これらにも注目しておくのがおすすめです。
現在の社会情勢とも照らし合わせる
公民が地理・歴史と大きく異なる点として、今を生きる現代に通じる内容が多くある点が挙げられます。SDGsやLGBTなど、日ごろからニュースで耳にしたりすることが多い用語が数多く存在しています。公民は社会情勢とも密接に関係しているため、ただ単に学校の勉強としてだけではなく、今を生きる私たちの一般常識として理解するように努めましょう。
そのためには、ニュースや新聞に目を通す時間を設けることが重要です。教科書や資料集を使って用語の意味や成立の背景を理解することも重要ですが、何が現代社会と結びついているのかを理解できていた方が記述問題などで有利になる場合もあります。また、テストでも入試でも時事問題が出題されるのはもちろん、小論文における出題でも同じように採用される場合もあります。
これらの対策として、公民の教科書で出てきた用語が載っていないか、ニュースなどを通じて調べて知識を蓄えていきましょう。教科書などでは学べない生きた情報に目を通すことも、公民の勉強法において効果的です。
【時期別】社会で点数を取るための勉強法
社会で点数を取るためには、時期ごとに適した勉強法を実践する必要があります。暗記科目のイメージが強い社会は後回しにされがちです。しかし、普段の勉強習慣の中に取り込んでおかなければ、成果につなげるのは難しいでしょう。
ここでは、定期テストと入試の際の社会の勉強法を解説します。
定期テスト対策
定期テストでは、与えられた範囲の内容をきちんと復習しておくことが重要です。単語はもちろんのこと、出題される資料や出来事などについてもきちんと理解し、解答できるようにしましょう。特に歴史は前回のテスト範囲が中途半端で終わっていると、前回のテストの内容から復習する必要がある場合もあります。きちんと出題範囲を把握して、計画を立てて勉強するようにしてください。
なお、定期テストについては市販の問題集まで手を付ける必要性はありません。定期テストは主に教科書準拠のワークから出題されることが多いため、ワークでの勉強に時間をあてる方が得策です。実力テストなどの場合は例外ですが、定期テストであれば学校から配布されているワークを使って勉強したほうが良いでしょう。
入試対策
社会は他の科目と比較すると問題が似てくる傾向にあるため、パターンを覚えてしまうことで解けるようになる問題もあります。市販の問題集でも良いですが、過去問を用いて勉強することで入試の傾向を掴むきっかけにもなるためおすすめです。
社会は記述問題なども出題される機会が多くなったものの、重要なのは知識であることに変わりありません。1日ですべてを覚えきろうとせず、計画的な勉強が入試での高得点につながる近道です。
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